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新商品・新サービス開発ステップ

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 今日の消費者のニーズは多様化しており、それに伴い商品やサービスも多様化しています。ここでは中小企業が行うべき基本的な新商品・新サービス開発のステップをご紹介します。

新商品・新サービス開発ステップ

市場調査

 インターネット検索や顧客アンケート、街頭アンケート、定点観察、エスノグラフィ(顧客観察)、競合店調査などを行い、該当市場でどのようなコンセプトが流行しようとしているのかを捉えます。※参考記事:市場調査の実施方法

 新商品・新サービス開発における市場調査では、自社が対象としている商品市場以外の、一見関係ない市場も観察しましょう。電車の中づり広告や小売店の品揃えには、流行の兆しが反映されています。

 また「女性」「若者」「ネティズン(ネット市民)」は新たな製品やサービスを積極的に受け入れ、自ら流行を作っていく層ですので、意識的に動向を確認しましょう。※参考記事:影響力ある3つの主要セグメント 

 市場調査から気になる商品や購買現象」を確認出来たら、それらについて「購買者や使用者はどんな人か?」「なぜ人気があるのか?」「自社商品に応用するとしたら?」を考え、シートにまとめておきます。

アイデア創造とスクリーニング

 市場調査の結果を受けて、自社商品・サービスに応用展開を考えていく段階です。ここではアイデア創造と、そのスクリーニング作業がメインとなります。

アイデア創造

 アイデア創造段階では自由闊達に複数人でアイデアを膨らませていきます。ブレインストーミングが有名な方法ですが、アイデア創造段階では、とにかく自由な発想で数多くのアイデアを創出することを心がけます。「批判厳禁」「自由奔放」「他人の意見にただ乗りOK]」「質より量」「会話を楽しむ」というルールをアイデア創出会議参加者に周知徹底します。

 特に今まで新商品・新サービス開発をあまり経験していない企業の場合、このアイデア創造の部分がうまく進まないケースが散見されます。会議でアイデアがすぐに出なくなってしまったり、意見の評論会が始まったりすると、会議の雰囲気が悪くなり、ポジティブな空気感が大事なアイデア創出会議が苦痛の場となってしまいます。

 コツとしては、アイデア会議までに一定期間をとり、各自でアイデアを考えておいてもらうことと、上述のアイデア創出会議ルールを事前に周知すること、競合他社の取組みを発表するのでもOK、ネットや雑誌からそのまま拝借したアイデアでもOK、というルールを事前周知しておきましょう。

※参考記事:アイデア発散議論の進め方

※参考記事:カスタマージャーニーマップ

※参考記事:現場からアイデアが湧き出てくる組織作りに必要な3つのポイント

アイデアスクリーニング

 出揃ったアイデアから新たな商品・サービスに発展しそうなものを選定していく段階です。ここでは「顧客へのメリット」「競合との違い」「自社の能力」「顧客への情報到達可能性」「チャネルの確保可能性」「市場規模」「コスト」などの面から検討します。

 この時の注意点は、様々な人々の意見を聞きすぎたり、現有経営資源面(ヒト、モノ、カネ、ノウハウ)からの実現可能性ばかりを論じると、特徴のない企画となり、新規性もインパクトもない既存の少し改良版程度の企画となってしまいます。こうならないためにも、企画担当者は社内意見よりも顧客の声に耳を傾けることと、最終的な決定は企画担当者が行う覚悟を決めることが必要です。

 また、逆にあまりに企画の新規性が高すぎると消費者は怖くて買えなくなってしまいます。新商品・新サービスの新規性については、「7~8割の馴染み感+2~3割の新規性」が丁度良いとも言われています。

 これは「ポジショニング戦略」で有名なマーケティング戦略家アル・ライズが、著書の中で述べた「消費者の頭の中に既にあるイメージを操作し、それを商品に結びつけることがポジショニングの基本手法である」、ということと同じです。つまり、既に消費者が見知っている商品イメージとかけ離れた新奇な商品やイメージは、消費者に受け入れ難いということです。

コンセプト策定

 採用するアイデアが決まったら、それをもとに商品サービスコンセプトを設計します。ここでは主に次の3つを設計します。

ターゲット顧客

 ターゲット顧客はどんな人物なのか=ペルソナを明確にします。商品のベネフィットを欲するであろうターゲット顧客の「年齢・性別」「仕事」「趣味」「ライフスタイル」などを出来る限り詳細に洗い出します。こちらの記事で簡単にペルソナ設計をしていますのでご参照ください。

新商品・新サービスのベネフィット

 商品やサービスは、作り手側と使い手側で見ている視点が違います。

 商品やサービスは、作り手側と使い手側で見ている視点が違います。具体的には、商品やサービそのものの「機能」、その特徴から得ることができる「利点」、その利点がヒトにもたらす「ベネフィット(便益・利益)」です。

 顧客が欲しいものは「ベネフィット」であり、商品の機能や利点を欲しているのではありません。下表は「高齢者向け英会話レッスン」の機能、利点、便益をまとめたものです。

立場 視点 例(高齢者向け英会話レッスン)
作り手側 機能 高齢者向けのオリジナルメソッド
利点 高齢者でも理解しやすく続けやすく、上達が早い
使い手側 ベネフィット 年をとっても夫婦二人で自由にいつでも海外旅行にいける。今までの人生経験を活かした海外でのボランティアにチャレンジできる

 ご高齢顧客が英会話レッスンを習う目的が「ベネフィット」であり、高齢者向けの独自レッスンプログラムという機能は、顧客の目的を達成させるための手段です。

 商品やサービスを開発する際に、「この商品は他社商品と比べて○○の機能が優れている」という発想も大切ではありますが、顧客が本当にその商品やサービスから得たいことは「ベネフィット」です。新商品・サービスの「機能」「利点」「ベネフィット」は何かをしっかり考え、明確にします。

使用シーン

 その商品やサービスは具体的にいつどんなときに使用するのかを書き出します。これは5W1Hで考えていくと良いでしょう。ターゲット顧客が新商品・サービスの「利点」「ベネフィット」を享受している典型的なシーンを出来るだけ詳しく設定します。

商品名・価格・デザイン等の決定

 コンセプトが設計出来たら、商品・サービスの名称(ネーミング)、価格、デザイン等を決めていきます。

 ネーミングで最も重要なことは一目見て商品の利点やベネフィットがイメージできるものであることです。小林製薬の「熱さまシート」「アルピタン」などは、商品が消費者のどんな不の要素を取り除いてくれるのかをで想起できる素晴らしいネーミングです。

 価格設定の注意点は、「原価発想、バイヤー発想」に陥らないことです。当然原価は考えなければなりませんが、商品やサービスの価格は顧客が感じる価値です。どんなに原価が高く付こうとも顧客が価値を感じなければ原価以下の価格でしか買いませんし、逆に顧客が価値を感じれば原価に関わらず相応の価格で購入頂けます。

 もし値付け段階で、安価な価格設定でないと成功しなさそうな新商品・サービスであれば、アイデアやコンセプトに問題があるということです。もう一度市場調査、アイデア、コンセプトに立ち返り、顧客に高い価値を提示できるコンセプトを生み出しましょう。

テスト販売

 ネーミングや値付け、試作も終わった後はテスト販売になります。ここからは限られたエリア、販路でマーケティングミックスを構築し、仮説検証を繰り返していきます。※マーケティングミックス策定はこちらの記事をご参照ください。

 しかし販売に至る前に必ずやっておきたいことは、社内の販売部門に十分な商品コンセプトの浸透を行うことです。販売が「売りにくい」と感じる商品は、やはり販売が伸びません。企画担当は、販売マニュアルや営業マニュアルの作成を手伝うくらいのお膳立てをすることが必要です。

 また、往々にして「値段が高すぎて売れない」という声が噴出しますが、これは商品コンセプトの魅力が十分に販売スタッフに伝わっていないことの裏返しです。コンセプトの3要素(ターゲット、ベネフィット、使用シーン)をしっかりと共有することが必要です。

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