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離脱防止に向けた顧客満足度調査アンケートの作成・活用方法

離脱防止に向けた顧客満足度調査アンケートの作成・活用方法

離脱防止に向けた顧客満足度調査アンケートの作成・活用方法

顧客離脱要因をアンケートで取得・分析し、改善策と優先順位を考える

 会員制や定額制ビジネスにおいては、顧客維持は非常に重要な事業活動となります。既存顧客が離脱してしまうのには様々な原因があります。しかし多くの場合、顧客は離脱理由の詳細を企業側に伝えることはありません。顧客へのヒアリングは一定の情報を取得できる可能性はありますが、顧客がその本音を吐露することは少ないのが現実です。

 離脱を防止するためにも顧客インサイトの把握は非常に重要ですが、その時に役立つツールが「顧客満足度調査アンケート」を活用した重回帰分析です。

※重回帰分析については別の機会に解説致します。

 顧客が離脱する原因は主に、価格、サービスや商品の品質、利便性など様々な要因が考えられます。そして、それら要因ごとの離脱への影響度、また要因ごとの平均点を把握する事で、離脱防止に向けた重要要因を特定し、改善の具体的施策と優先順位を考えていきます。

要因が与える離脱への影響度と、要因の平均点によるマトリックス

 顧客アンケートを分析することで、最終的には次のようなマトリックスを作り、重要要因を特定します。

重回帰

 横軸に、離脱における要因の影響度、縦軸に要因の平均点をとり、各要因をプロットします。

 この中で最も重要な要因は青枠で囲った象限です。なぜならこの象限にプロットされた要因は、離脱への影響が大きい要因でありながら評価点が低いからです。したがって、この会社が離脱防止に向けた取り組みを行う上でまずやるべきことは接客スキルの向上やクリンリネスであるということが分かります。

顧客アンケート項目の設定方法

 重回帰分析を行うためのアンケートの作成方法は別の機会にご紹介致しますが、ここではアンケート項目をどのように設定すればよいかをご説明します。次の図はある教育事業会社の顧客満足度アンケートの事例です。

アンケート例

 アンケート項目を設定するときは、まず「○○の要素が離脱意向に大きな影響があるのではなかろうか」という仮説を持つことが重要です。この例のみならず、分析は必ず何かしらの「仮説」を持ったうえで行うことが望ましいです。

 この例でも、定性分析や顧客との対話の中から離脱意向への要素を抽出し、その仮説を質問事項に変換して作成しています。この例では、主に指導内容や人間関係づくり、曜日時間の振り替え意向などが離脱意向への影響を持っているのではないかと仮定したうえで質問を設計しています。

 このアンケート結果を集計し、まず重回帰分析を行い質問事項12番「離脱を考えることがあるか」への影響度を数値で把握します。さらにそれぞれの要素の評価点(平均点)を算出します。

 その上でマトリックスを作成し、影響度が高く、評価点の低い要素を明らかにします。そして離脱防止に向けた最重要取り組み課題と優先順位を定め、解決策を創出します。

 なお、アンケート回収率を高めるために質問個数を吟味したり、紙ベース、Webアンケートなど複数の方法を組み合わせて取得します。また極力正しいインサイトを把握するためには匿名性を担保する必要があるため、個人情報の記載個所をなくし、回収もスタッフの目に触れないような回収方法で回収を行います。

まとめ

 顧客インサイトは顧客の心理的な部分ですので、顧客に接している現場スタッフ個々人の主観によるバイアスが入りやすい領域です。離脱防止に限らずマーケティング全般は顧客心理を扱う部分であるため、多分に現場スタッフ毎のバイアスが入り込み、何か施策を決める上でも「総論賛成・各論反対」の堂々巡りに出くわすことはよくあります。

 販売やマーケティングに関わるスタッフが1つの方向を向いて改善施策を立案していくうえでも、このような取り組みにより数字で顧客心理を把握する事は極めて重要となります。

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