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ビジネス・スクリーン(9象限マトリックス)

ビジネススクリーン

ビジネススクリーン

ビジネススクリーン(9象限マトリックス)とは

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)との比較

 ビジネススクリーンとはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)と同様、企業の成長戦略を描くためのものです。PPMをより複雑、高度にしたもので、GE社により開発されました。

 PPMは縦軸に市場成長率を、横軸に自社の相対的マーケットシェアをとり、4象限に各事業をプロットします。PPMは4象限というシンプルな構造ながら各事業の立ち位置を明確にし、事業ポートフォリオを考える上で大変分かりやすいフレームワークです。しかしPPMには

  1. ・経営資源をキャッシュのみで捉えている
  2. ・自社の立ち位置を相対的マーケットシェアのみで捉えており、自社の強みやコアコンピタンス(中核能力)が考慮されていない
  3. ・業界の尺度を成長率のみで捉えており、収益性(利益率)が考慮されていない

などの問題があります。

 これらを踏まえたうえで、より改善及び複雑・高度化した成長戦略フレームがビジネススクリーン(9象限マトリックス)です。

 「業界の魅力度」と「自社の競争上の地位」の2軸をそれぞれ3段階に分け、事業を合計9つのタイプに分け、それぞれのタイプごとに資源配分方針を定めます。

ビジネススクリーン

縦軸:業界の魅力度

 縦軸は業界の魅力度の高低を表します。業界の魅力度は主に次のような尺度を用います。

  1. 市場ライフサイクル:導入期、成長期、成熟期、衰退期
  2. 市場:成長率、安定度、セグメント化(細分化)の程度
  3. セグメント:ターゲットの人口動態推移、地理的要素
  4. 競争の程度:買い手の交渉力、売り手の交渉力、寡占度、参入障壁、撤退障壁、垂直統合度合い
  5. マクロ要因:政治、経済、社会、 技術
  6. 収益性 :利益率、キャッシュフロー
  7. 産業構造:資本集約型、労働集約型、固定費型、変動費型
  8. ビジネスモデル:ストック型、フロー型

横軸:競争上の地位(自社の強み)

 横軸は競争上の地位、自社の強みを表します。主に次のような尺度が考えられます。

  1. シェア:相対的マーケットシェア
  2. 経営資源:ヒト・モノ・カネ・ノウハウ・情報・顧客資産
  3. マーケティング:企画力、商品力、知名度、販売力、チャネル支配力、ブランド力
  4. 生産管理:技術力、品質、価格競争力、納品リードタイム、特許、オペレーション
  5. 業務プロセス:効率化の程度、自動化の程度、IT化の程度
  6. 財務:資金調達力、内部留保

活用方法、考え方

優先順位高

 業界の魅力度が高めで自社の競争地位も高めの象限は、より大きな競争地位を確保していくことを志向します。PPMでは花形、花形になりつつある問題児の戦略に該当します。

  1. 業界の魅力度(高)×競争地位(高)=地位防衛
  2. 業界の魅力度(高)×競争地位(中)=テコ入れ
  3. 業界の魅力度(中)×競争地位(中)=地位確保

優先順位低

 業界の魅力度が低めで自社の競争地位も低めの象限は、利益の回収や撤退を検討します。PPMでは市場成長率が下がり利益が減少し始めた金のなる木、負け犬の戦略に該当します。

  1. 業界の魅力度(低)×競争地位(低)=撤退
  2. 業界の魅力度(低)×競争地位(中)=利益確保
  3. 業界の魅力度(中)×競争地位(中)=収穫

優先順位中

 PPMでは表現しきれない領域になります。大きな戦略の方向性としては、業界を更にセグメント化し、集中的に資源を投入して利益を確保する差別化戦略をとります。

  1. 業界の魅力度(低)×競争地位(高)=選択的強化(差別化戦略)
  2. 業界の魅力度(中)×競争地位(中)=利益確保
  3. 業界の魅力度(高)×競争地位(低)=選択的強化(差別化戦略)

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