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外部環境変化を把握する:PEST分析

外部環境変化を把握する:PEST分析

外部環境変化を把握する:PEST分析

サマリー

  1. PEST分析とは、主に業界に影響を与えるであろうマクロ環境の変化を分析し、将来自社にとってどのような影響が出るのかを考えるためのフレームワークです。
  2. PEST分析を行う際に注意するべき点は、その母集団をどの広さでとるか、ということです。グローバルに展開している企業、日本全国を相手にしている企業、特定エリアで活動する企業では、PEST分析を行う母集団の範囲と優先順位や重要度が変わってきます。

PEST分析とは

 PEST分析とは、主に業界に影響を与えるであろうマクロ環境の変化を分析し、将来自社にとってどのような影響が出るのかを考えるためのフレームワークです。

 PESTとは、Politics(政治的要因)、Economy(経済的要因)、Social(社会的要因)、Technology(技術的要因)の頭文字を合わせた造語です。

 マクロ環境を政治・経済・社会・技術要因に整理して状況をまとめ、今後の未来を抜け漏れなく考察することで、将来起きうる環境変化の予測精度を高めます。

PEST分析

PEST分析事例

 実際のPEST分析の事例をご紹介します。

 PEST分析は、4つの要因から自社に影響を与えそうな環境変化をくまなく抜け漏れなく洗い出します。しかしそれらの環境変化が自社に対して与える影響度の大きさは様々です。外部環境分析は経営戦略を立案する際に行いますが、大小さまざまな要因を列挙しただけで分析が終わってしまうと、戦略としてどの分野に注力することが最も効果的なのかが判断できなくなります。

 したがって、いったんあらゆる環境変化を洗い出した後、次の表のように、特に自社にとって脅威・機会となる要因をピックアップし、まとめます。

PETS事例

 この企業の場合、脅威の面では、組織や総額人件費に大きな影響を与える最低賃金の引き上げや労働人口減少による雇用確保難が挙げられています。また事業活動面では、法規制の強化が大きな影響を与えることを挙げています。

 対して、機会の面では、事業活動面において共働き世帯の増加や女性の社会進出が、あらたな需要創造の機会になることを挙げています。

PEST分析の注意点

 PEST分析を行う際に注意するべき点は、その母集団をどの広さでとるか、ということです。

 例えばグローバルに展開している中堅~大手企業であれば、PEST分析を行う対象は「世界」のPEST変化です。日本全国を相手にしている企業であれば、日本のPEST変化が大きな意味を持つでしょう。また、特定エリアで活動する中小企業の場合であれば、そのエリア内でのPEST変化の持つ意味合いが大きくなります。

 上記事例では、「日本」と「特定エリア」のPESTの変化を分析しています。例えば機会として挙げた共働きや女性の社会進出は、全国的に見れば既に以前から見られる傾向ですが、特定エリア内に関してはその傾向が近年大きくなったことを勘案し、機会と捉えています。

 どんな環境変化を機会と捉えるのか、脅威と捉えるのか、また、機会が脅威になり得ることもありますし脅威が機会になることも考えられます。

 PEST分析を行う際は、ビジネスモデルや現状の企業の問題点などを同時に把握しておくことで、総合的に未来の脅威・機会を判断していくことになります。

 この事例の場合では、ビジネスモデルの変化に伴い、粗利の低下と総額人件費の高騰から低収益性に苦しんでいたものの、エリアのニーズに応えられる技術を持っていることから、共働きと女性の社会進出を機会と挙げました。

 戦略策定は、まずPESTに代表される外部環境分析と、経営資源に代表される内部環境分析を行います。そして外部環境分析により脅威・機会を抽出し、内部環境分析により弱み・強みを抽出しますが、それらが戦略策定にあたり脅威・機会・弱み・強みになるかどうかは、外部・内部環境分析結果全体を勘案した上で決めることになります。

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