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    自社の「強み」を洗い出す3つの方法

    強みは意外と見つかりにくいもの

     ある地方の食品小売業A社のケースをご紹介したいと思います。そこは昔から地元を愛して来られた社長と店長が切り盛りしている食品小売店でした。
     コンサルティングにあたり事前ヒアリングをさせて頂いた際、地元の食文化についてとても熱く語ってらっしゃり、何とか地元を盛り上げていきたいという思いがひしひしと伝わってきました。

     例えばその土地の土壌や地形によって、魚や野菜の独自の加工方法が生まれた話や、江戸時代の食文化にその土地が与えた影響など、とても面白い話をご存じでした。

     しかし、そんな地元食文化に関する膨大な知識を持ち蘊蓄を語れることを、残念ながら強みとして認識されてらっしゃいませんでした。むしろ鮮度の良い野菜が置いてあることや、珍しい土産物があることを強みとして認識されておりました。

     たしかに地元の獲れたて野菜を並べた地産地消スタイルは、かつては当該地域において競合との優位性を発揮しておりました。しかしその後、大手食品小売業もサプライチェーンの高度化に取り組み、地元の新鮮食材をその日のうちに大量に仕入れることを可能としました。更に、観光客をターゲットとした地元名産品の取り扱いも始めたため、A社の競争優位性は弱まっていました。

     自分たちの強みを認識するということは意外と難しいことです。この事例では、その土地の食文化の伝道者としての立場を営業活動に活かせば、非常に強力な武器となる可能性があります。

     この事例から、強みを認識するには2つの障壁があることが分かります。

     1つは、競合、顧客などの外部環境が変化したため、かつてA社を支えていた「鮮度の良い地元野菜の品揃え」という強みが既に競争優位性を失っているが、過去の成功体験から、強みでなくなっていることを認識しにくいケース。

     もう1つは、地元の食文化についての膨大な知識は、自社(社長や店長)にとっては当たり前すぎる存在であるが故に、それが強みだと気が付くことができないケースです。

     このような例は枚挙に暇がありません。思い込みを捨て、様々な観点から自社の強みを多く見つけ出しましょう。どうしても日常の仕事ではネガティブに目が行ってしまいますので、積極的に強みを探すことは組織活性化にも繋がります。

    自社の「強み」を探す3つの方法

    ヒト・モノ・カネ・情報から整理する

     経営資源

     鉄板ともいえるこの切り口ですが、しかしシンプルかつ使いやすい優れたフレームです。

    ・自社にはどんなヒトがいるかな?(リーダーシップのある人、まめな人、特殊能力のある人、コミュニケーション能力のある人など)
    ・どんなユニークなモノがあるかな?(モノとは製品や商品もそうですし、設備や建物、什器備品まで、形あるものなら全てモノです)
    ・おカネはあるかな?
    ・どんな情報をもっているかな?(これが最も重要です。先ほどの知識や蘊蓄もこれに該当します。また、目に見えないサービスの質、技術、業務フロー、様々なノウハウ、さらに組織風土のようなものも含まれます)
     特に「情報」に関しては目に見えない分、他社に真似されない強みである可能性があるので、沢山発見してみましょう。

    事業を製造や出荷や販売など、機能ごとに分けて強みを考える

     バリューチェーン

     ヨコの流れは、商品及びサービスができてから顧客に利用されるまでの時系列に機能を分けたものです。これらをライン機能といいます。そして管理や企画、経理などはライン機能全体にかかる機能であり、これらをスタッフ機能と呼びます。この1つ1つについて強い部分(あるいは弱い部分も)について書き出していくことで、企業活動全体を俯瞰して強みを発見できるようになります。これをバリューチェーン分析といいます。バリューチェーン分析には強み(あるいは弱み)の洗い出しができるメリットがありますが、他にも様々な使い方があります。※参考記事:バリューチェーン分析

    顧客や取引先にヒアリングする

     特にお勧めしたいのがこの方法です。顧客や取引先など、外部のお得意様に直接ヒアリングを行うことは、自社の知らない自社の意外な側面に気が付くことができます。冒頭にご紹介したA社の例も、外部から見たA社をじっくり観察することで、競合にはなく、顧客に対して価値を提供できる強みに迫ることができました。

     特に、「最近取引を開始した顧客」と「昔からの馴染みの顧客」の両方の声を聴くことをお勧め致します。

    強みの絞り込みと選定

     強みの候補を洗い出したら、それらの強みを序列付けし、真の強みを選定していきます。この時に用いるフレームワークとしてVRIO分析があります。VRIO分析については、こちらの記事をご参照ください。→自社の持続的な競争優位の源泉を探る

    強みは「世界一」でなければならないか?

     「強み」は世界一である必要はありません。同じ市場で戦っている競合他社に比べて優位性が発揮できれば十分強みです。先述の事例では、地元の食文化の歴史に詳しい方は多数いらっしゃると思いますが、地域の食品小売業という市場の中で考えた場合、大手チェーンには語ることの出来ない情報を沢山有しています。

     食文化には、地域の気候や風土、土壌、生活様式、地域の役割など様々な歴史的経緯により形成されています。地元の名産や野菜などはそのような歴史的背景により生み出されてきました。そのような食文化の歴史を「見える化」し、地元顧客と観光客両方の獲得に向けた品ぞろえや接客、プロモーションなどに活かすことが、強みを活かすということです。


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