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    人事制度設計の目的と設計の前段階

     組織を動かす代表的な仕組みとして人事制度があります。人事制度を設計する目的、人事制度設計の前に考えるべきことについてお伝えしたいと思います。

    サマリー

    1.人事制度の目的は、企業理念や戦略を達成するのに最適な組織づくりです。

    2.人事制度を設計する際に大きな落とし穴があります。それは、目に見えている人事上の問題点を解消するために制度を変更すると、戦略との整合性が取れず業績に良い影響が出なかったり、場合によっては社員のモチベーションを下げてしまうことがある、ということです。

    3.人事制度設計を行う前に、「企業理念」「経営戦略」「経営計画」を環境変化に合わせて策定し直します。そしてそれらを達成できる人材像、すなわち「人事理念」を明確にするという手順をとります。

    人事制度の目的

     人事制度の最終的な目的は、「企業理念や戦略を達成するのに最適な組織づくり」です。経営資源の中でも特に重要な位置づけを占める「人」は、能力開発やモチベーション状況によってその価値が大きく変動する、管理の難しい資源です。昨今では人手不足の深刻化や働き方改革、ライフワークバランスの変化により、人的資源管理はより一層複雑さを増しています。

    人事制度設計の大きな落とし穴

     組織は常に様々な人材に関する問題を抱えています。例えば、

     ・社員が採用できない(募集しても来ない)

     ・管理職の質が低い

     ・営業力が不足している

     ・教育しても成果が出ない

     ・モチベーションが上がらない

     ・賃金水準が高すぎる

    他にも部門間・個人間の不和、やる気に関する問題も、放置してエスカレートすれば大きな問題になることがあります。

     しかしこれらの目に見えている問題解決を図るための人事制度導入や改定は、失敗することが多いと言われています。

    そもそも社員の方々は人事制度改定に対してネガティブ

     人事制度を設計する、あるいは変更するということは、社員さんの側から見た場合ネガティブな要素として捉えられます。なぜなら組織には現状を維持しようとする強い組織慣性が働いているからです。特に処遇や評価は社員の行動や考え方に強い影響を与えています。その人事制度に手を加えるということは、例え経営陣にそのつもりがなくても、社員の方々は「賃金カットを考えているのか?」「これから自分たちの仕事は変わるのか?」など、大きな不安を覚えます。

    人事制度設計が対症療法となっている

     人事制度設計をお手伝いさせて頂いた製造業の例をご紹介します。この企業様は大手元請け会社からの非常に厳しいコスト・品質管理要求に誠実に応えてこられました。しかしその結果、売上単価の減少と労務費の高騰という2重苦により、厳しい業績が続いておりました。

     社長様は社員を大変大切にされている方であり、厳しい環境にあっても社員処遇を変えずにやってこられました。しかし生産性が上がらないことや、賃金が固定的で経営を圧迫していることについては大変頭を悩ませておられました。

     このときに「生産性(従業員一人当たりの出来高向上」や「賃金のエスカレート抑止」を目的とした人事制度を設計しても、失敗する可能性が高いです。もちろん、これらも解決すべき点ではありますので、最終的に設計した人事制度ではこれらの解消による業績向上に資する制度となりました。しかし「業績が悪いから生産性向上と賃金抑制だ」では、社員のモチベーションに大きな悪影響を与えます。また出来上がった制度そのものも、会社の風土や文化、ビジネスモデルなどとの整合性が取れないものとなり、機能しない恐れがあります。

     これまで社員の方々は「品質管理」を重点項目として仕事をされていました。元請け会社からの要求も品質に対するものが大きいため、それがこれまでの企業様の文化や風土を形成し、評価の仕組みも決まってきました。

     それがここ数年、元請けからの更なる品質への要求の高まりによる労務費高騰と、元請け1社への依存度の高まりによる単価下落という憂き目にあっていました。それだけでなく、さらにより大きなマクロ環境の変化による脅威にもさらされていました。生産性や賃金水準が問題となりだしたのは、業績低下によりこのような背景が浮き彫りになったからです。今起きている人事上の問題の背景を考えると、もっと根本的な事業戦略の見直しを行うことが人事制度設計に先立って必要なこととなります。

    人事制度設計前に考えるべきこと

     人事制度の目的は「企業理念や戦略を達成するのに最適な組織づくり」です。そのためには、まず前提となる企業理念・経営戦略・経営計画の達成に必要な人材像、すなわち「人事理念」を明確にすることが大切です。

     今回の企業様の例では、経営戦略としては今までの下請け体質を脱却するべく、特殊加工できる強みを活かした提案型営業による販路開拓や、品質と生産性を向上させる設備投資や人材育成に関する内容を盛り込みました。そして数値面から経営管理する経営計画や採算管理の仕組みを導入しました。とくに経営戦略に関しては次期社長候補や管理職のお話も伺いながら、会社の現状と環境変化を共有していきました。

     次いで「人事理念」を策定して戦略達成に必要な人材像を明確にしていきました。人事理念の中では、戦略を達成するための生産管理やチームワークに関する能力や、役割別の行動指針などを策定しました。

     「理念」→「経営戦略」→「経営計画」→「人材」を一本の軸で繋ぐことで、経営層、社員双方にとって納得性の高い人事制度の基盤を作ることに務めました。

     ここまでの軸が出来て初めて、有効な「人事制度」を策定することが可能となります。人事制度の内容そのものについては、また改めてお伝えしたいと思います。

     

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