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ポスティングの実施方法

 ポスティングをマーケティングリサーチに変える

 特定商圏をターゲットとする飲食店や小売業、サービス業では、アナログなチラシのポスティングが思わぬ効果を上げることがあります。ここでは効果的なポスティング実施方法についてご紹介します。

商圏分析

 ポスティングをする際にも、最も重要なことは「ターゲット顧客を明確にすること」です。これはマーケティングにおける基本ですが、マーケティングミックスの販売促進の1つであるポスティングも、当然ながらターゲット顧客が定まっていなければ効果を期待することができません。

※参考記事:マーケティング戦略立案手順

※参考記事:マーケティングとは

 さて、ターゲット顧客が決まっており、届けるメッセージ(チラシの内容)が決まっている、ということを前提に話を進めて参ります。

 次に行うことは、商圏の中で具体的にどのエリアにチラシを投下するのが効果的か?を決定することです。商圏分析には様々なやり方がありますが、基本的な実施方法について簡単にご紹介します。

jSTATMAPを利用する

 jSTAT MAPとは誰でも使えるWebサイトの地理情報システムです。 防災、施設整備、市場分析等、各種の詳細な計画立案に資する基本的な分析が簡単にできます。

 まずこのシステムを用いて、ターゲット顧客が多く住む層を特定します。年齢別、性別、世帯数別、事業所数など、さまざまな角度からターゲット顧客が住むエリアを特定できます。例えば子育て世帯を対象にしたいのであれば、0歳~14歳の総数が多いエリアを割り出すなどして、エリアを特定していきます。

 ※jSTATMAP例(実例のためボカシ処理をしております)

ドットマップを作成する

 ドットマップとは企業が保有している顧客情報をもとに、ターゲット顧客がどのエリアから来店しているかを、地図上にシールを貼って明らかにしたマップです。ターゲット別に色の違うシールを地図にプロットしていき、どのエリアからどのターゲットが来店しているかを把握します。

 自社の顧客情報が基になっておりますので、人口動態のみならず、顧客の顔や性格、家族構成、心理的性向など、より詳細な情報を活用することができます。

ドットマップ例

 ※ドットマップ例(実例のためボカシ処理をしています)

jSTATMAPとドットマップから、ターゲット顧客が多く住むエリアを特定する

 統計データから導き出したjSTATMAPと、自社顧客情報から導き出したドットマップから、ターゲット顧客が多く住むエリアを特定します。必ずしも両方のマップを用いる必要はありませんが、両方のデータを見比べることで商圏に関する新たな気づきもあります。

 例えば、jSTATMAP上ではターゲット顧客が多く住んでいるにも関わらず、ドットマップ(つまり自社の顧客)ではほとんどそのエリアの顧客がいない、ということもあり得ます。その要因は2つの可能性が考えられます。

 1つは、当該エリアへの自社の告知が十分になされておらず、認知度が低いことです。

 2つ目は地理的要因、例えば大きな幹線道路や川、丘、施設などがある関係で、距離は近くとも自社までのアクセスが不便で時間がかかる場合です。

 jSTATMAPとドットマップを見比べることで、様々な情報や仮説を導き出すことが出来ますので、可能であれば双方活用することをお勧めします。

ポスティングはマーケティングリサーチのつもりで実施する

 商圏分析によりポスティングエリアが決まりましたら、ポスティングを実施していくことになります。ポスティングを外注やアルバイトに任せる企業も多いですが、私は可能な限り営業責任者やマーケティング担当者もポスティングに参加することをお勧めします。私もクライアントのポスティングを計画する際は、実行部隊としてポスティングに参加するようにしています。

 エリアビジネスにおいて「街」を知ることは非常に重要です。事前の商圏分析に基づく配布エリアの決定も重要ですが、街の雰囲気、建物のつくり、街の人の声などから得られる情報には、事前データ以上の価値があります。

 特に私が重視しているのは、町並みの新旧や、小さな小売店・サービス店の有無、建物の新しさ、集合住宅の生活ルールなどです。

 例えばある道路の左右で建物の雰囲気が違う場合は、開発された時期が違う可能性があります。そんな時は街の方に声をかけ質問をします。すると、「昔は道路の右側は全部畑だったんだよ。でも5年前に開発が進んで新興住宅地ができて、そこに若い連中が住むようになったんだ。」などの具体的な話を聞くことができます。この情報はファミリー層や小さな子供を対象にした会社がポスティングをするにはとても有益な情報です。

 また、駐車場に止まっている車の車種を確認したり、庭先に見える自転車などから、そのエリアの凡その世帯数や年齢構成を仮説することができます。

 さらに、例えば個人で運営している学習塾や子供向け英会話教室などがいくつか点在している場合、その店舗から徒歩圏内には一定数の若い子育て世帯がいることが分かります。これも局所的なチラシ配布を効果的にする有益な情報です。

 団地などの大規模集合住宅は、ポスティングの効率面では非常によいですが、注意点があります。例えばペットや楽器などは、集合住宅によっては禁止されていることがあります。こういうときも住人の方に話を伺えば状況が明らかになります。

まとめ

 ポスティングは、狭い限られたエリアに対するマーケティング活動の1つです。エリアビジネスを営む中小・小規模事業者にとっては、デジタルが発達した今でもポスティングは有効な手段です。局所的なエリアに関してはデータのみでは分からないこともありますが、自ら街を歩き回り、その雰囲気を感じたり、街の住民の声を聴くことで、多くの情報を得ることが可能となります。

 統計データ、自社の顧客情報、そして自らリサーチした街の情報を有効に活用することで、エリアビジネスにおける集客を成功に導くことの出来る可能性が高まります。 

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