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競合店を調査する目的の1つは、市場ニーズを把握する事にあります。小売店の品揃えやインストア・プロモーションには市場ニーズが反映されています。
競合店調査により他者の良い点を取り入れることは大切なことですが、これを目的にすると「同質的競争」となり、特徴のない店舗となってしまいます。むしろ競合店の良い点や特徴を踏まえて、自社をどのように差別化するか、を考えることが重要です。
言い換えれば、自社が顧客からどのように認識されたいのか、を構築する視点が必要です。
やみくもに品揃えや販売促進を調査しても、得たい情報が得られるものではありません。まずは自店が何を強化したいのか、何に問題があるのか、を整理した上で調査対象競合店をリストアップします。
次に競合店の何を調査するかをリストアップします。主にマーケティングミックスの4P、もしくは7Pの視点から調査を行います。
競合店調査を実施する際は、上述の分析項目を記載したシートを手元やスマホに用意し、調査しながら記録していきます。
下表はある小売店で実施した競合店調査項目の一部を抜粋したサンプルです。強みをもつ商品群A~Eについて、競合他社がどのような品揃え、売り方をしているかを調査するために用いたシートです。
また、出来るだけ品揃えや陳列、POPなどは写真に撮ります。ただしあまりに大胆に写真を撮ると怪しまれるので、ほどほどにしましょう。
売り場面積を図る際には、メジャーなどは使用できませんので、体の寸法を測っておき、置き換えるのが有効です。例えばある商品群Aの売り場面積を確認するためには、自分の歩幅を予め把握しておき、調査では歩数を記録しておきます。すると歩幅×歩数で売り場面積を計算することができます。
どのタイミングで実施するかは業種や調査の目的によりますが、売り場の状況変化のタイミングごとに実施するのが1つの方法です。
例えば値引きのタイミング。食料品を営む自店は夕方の決まった時間帯に1回だけ値引きをしていたとします。しかし競合店では時間経過とともに複数回に分け小幅の値引きを行っている可能性もあります。すると、同じ商品でも夕刻前の価格は競合店の方が安くなっており、競合店に顧客が流れている可能性も考えられます。
このような売り場の変化を把握するためにも、1日の顧客の流れを考えながら複数回実施することが望ましいです。