• 中小企業の"永続可能な組織への変革”に特化した、変革プロセスコンサルティング。組織メンバーが主体性を発揮し、革新と改善を生み出し続けるチームへの変革をサポートします。

    進捗管理の頻度:軌道修正と成長のスピード獲得

    進捗管理の目的

     進捗管理とは、設定した目標に到達するため、定期的に活動の検証を行い、目標と実績の差異を埋める活動の立案や計画の見直しを行うことです。

     進捗管理には次の要素が含まれます。

    ①進捗確認日までの実績

    ②実績と目標の差異要因分析

    ③計画の見直し

    ④具体的行動計画の立案

     これらの要素を全て検討することで、進捗管理の精度が高まり、目標達成確率が高まります。

    進捗管理の頻度アップ=スピードアップ

     進捗管理をどの程度の頻度で行えばよいのか、というご相談を頂くことがあります。これに対して私は「管理可能な間隔の中で最短サイクル」で進捗管理を行うようアドバイスしています。その理由は次の通りです。

    軌道修正を素早く行える

     進捗管理サイクルが長い場合と短い場合、目標との差異が広がるのは前者です。例えば営業マンが月次目標売上高を1か月単位で進捗管理していた場合、目標に足りていない分は翌月以降の目標値に振り替えることとなります。しかし多くの場合、進捗との乖離は時間が経てばたつほど大きくなり、そのリカバリーの困難度は比例して高くなります。

     それよりも週次で進捗管理を行い、今週不足した売上を翌週以降リカバリーしていく方が目標達成の現実味が増します。

     傷の浅いうちに対策を打つことが軌道修正のポイントとなります。

    組織・人材の成長スピードが加速する

     軌道修正の容易さは比較的分かりやすいメリットですが、中長期的な視点で見た場合の大きなメリットは組織・人材の成長スピードが加速するということです。

     まず、一般社員にとってのメリットは、従事している業務スキル向上がスピードアップし、早期育成が可能となります。進捗管理の頻度が高ければ高いほど、自身の業務を振り返り、改善を加える頻度も高くなり、結果的に早期スキル向上を見込めます。

     また既に一定のスキルを持つ社員であれば、(目標設定との兼ね合いになりますが)さらに難しい目標に向かい、それまでの業務のやり方やプロセスを劇的に変化させるようなアイデアを考えだしてもらいます。そして早い進捗管理サイクルの中で実行検証を繰り返すことで、競合に打ち勝つ卓越した業務プロセスを構築することが可能となります。

     続いて管理職にとってのメリットは、管理職の主要業務である進捗管理を何度も行うため、管理能力の向上が期待できます。進捗管理を苦手と感じる管理職は多いですが、その理由の1つは、そもそも進捗管理に従事する回数が少なすぎて管理スキル向上が図れない、ということがあります。

     特に中小企業では、ほとんどの管理職はプレイングマネージャーとして高い個人予算を持っていることが多いですので、管理職本来の業務が片手間で行われているケースも多いです。しかしこれではせっかく管理職が持っている高い業務スキルが部下に展開されず、社員は成長機会を奪われ、管理職本人は管理能力が育たないということとなり、組織の成長スピードは著しく低下してしまいます。

     社員の業務スキルレベル向上スピードが管理サイクルに比例するのと同様、管理職の進捗管理スキルレベル向上スピードも管理サイクルに比例するのです。


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