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    経験学習モデルによる仕事のブラッシュアップ

     能力向上、モチベーション向上は成長によってもたらされます。PDCAサイクルはその前提であり計画に対する実行、そして検証と改善というプロセスを経ることで、習熟度や能力向上、そして達成未達成を味わうことによるモチベーション向上に繋がります。

     PDCAサイクルを回すうえで、多くの組織でC(検証)が行われていない現状があります。行われているとしても数値目標との差異の表出化だけにとどまり、その結果に至った原因究明と対策立案が不十分であるケースは非常に多いものと見受けられます。

     検証フェーズを確かなものにするには、仕事を行う本人が「内省」するプロセスが欠かせません。当記事では「内省」の観点から、人が経験から学習するプロセスやメカニズムについての代表的な理論としてコルブが提唱した学習経験モデルについて解説します。

    経験学習モデル

     経験学習モデルは、「具体的経験」→「省察」→「概念化」→「試行」の4段階サイクルから構成されます。

    学習経験モデル

    具体的経験

     「具体的経験」とは、十分に感じ認識することができた事柄です。経験学習モデルは具体的体験が出発点となります。具体的経験は実際に自分で考え、手や体を動かし、その結果を肌で感じた経験のことを指します。

     また、他からの情報や書籍などで学ぶことは大変重要な事ですが、ともするとそれらの外部情報に触れたことで具体的体験をしたと感じてしまうリスクがあります。しかしこれは具体的経験ではなく(この段階では)机上の空論です。具体的体験とは3現主義に基づいた経験であります。すなわち、

    ・現実に直面した

    ・実際に現場に立ち会った

    ・実際に現物を制作した

    という条件が具体的経験となります。

    省察

     自分自身の経験を様々な観点から振り返ることです。上手く行った原因と失敗した原因を自ら振り返ることです。

     注意点は他責で考えてはならないということです。例えば仕事で成果が出ないときや失敗した時、外部環境や他部門・他部門・上司・部下を主語にした振り返りは省察ではありません。外部環境の変化に対して自分はどんな行動をとったのか?他部門との連携が上手く行かないときに自分はどう行動したか?というように、環境に直面した時の自分の行動を自責で振り返ることで、次のフェーズである概念化、試行に進むことができます。

     省察という行為は軽んじられる傾向にあります。その理由は人は自分自身を客観的に評価し批判を加えることに抵抗があるからです。しかし振り返りをしなければ問題解決やスキル向上は望めません。毎日少しの時間でも1日の経験を振り返ることで、積み重ねにより成長を重ねることができます。

    概念化

     他の状況でも応用できるよう、将来自分や他人が使える定石、セオリー、教訓を組み立てることです。経験を汎用的に応用できるようにするには、具体的事象から要点を抽出して概念化します。

     例えば「ダブルブッキングしてしまった」という問題が起きたとします。その原因の省察が「手帳で確認して仕事を引き受けたものの、クラウドのスケジュール管理では既に仕事が入っていた」であった場合、これを「スケジュール管理はクラウドに一本化して確認はスマホで行う」という定石を作ることで、以降同じような失敗を防ぎ、さらに組織で横展開してマニュアルに落とし込む、ということが概念化です。

     概念化とは、個人や組織が体験した成功・失敗法則などのノウハウをカタチにすることです。概念化をしないと同じ失敗を何度も繰り返すことになります。それだけでなく、ノウハウとは“目に見えない”情報資源であり、これが競合への競争優位性や顧客への提供価値の源泉になりえます。高いレベルで組織管理を行う企業は、必ずこの情報資源を標準作業書やマニュアルといった形で見える化し、社員が共有し、更なる経験を活かして常にブラッシュアップしています。

     他からの情報や書籍などから理論や知識を学ぶことは、この省察と次の概念化で非常に役立ちます。先人たちの知恵が体系的にまとめられた情報と自分が経験したことを照らし合わせることで、問題の本質に近づくこと、改善策の定石化がしやすくなり、自分なりのマイセオリーの構築に寄与します。

    試行

     新しい状況下で実際に試してみることです。作り上げた自分なりのセオリーを次の機会に試してみる、あるいは似通った状況で試してみます。それが上手く行けば定石として定着しますし、上手く行かなければその経験を再度省察、概念化、試行し、磨きをかけていきます。

    まとめ

     経験学習モデルに基づきPDCAサイクルを高速で回すことは、組織の成長スピードを高めることに繋がります。管理者は計画に基づき、定期的な会議や面談で、省察と概念化を支援することが大切です。


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