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売上・利益増加の仕組みをつくる

事前期待と顧客満足

事前期待と顧客満足

事前期待と顧客満足

顧客満足の正体

事前期待

 顧客が満足を感じるか不満を感じるかは、顧客がサービスを受ける前に知覚していた事前期待と、受けたサービスへの評価の差で決まります(顧客はサービスを買っている:諏訪 良武 、北城 恪太郎 著)。

●事前期待<実績評価・・・満足

●事前期待=実績評価・・・想定通り

●事前期待>実績評価・・・不満足

 このことから、顧客満足度を高めるには2つの方法があることが分かります。

①実績評価を高めるためにサービスの質や量を向上させる

②事前期待を上げすぎないようにコントロールする

 多くの場合①は意識的になされておりますが、②も重要な着眼ポイントになります。サービスに対する事前期待が高すぎる場合、それを上回るサービスレベルを提供するには多大な時間とコストを要することになります。

 提供企業側に顧客に不義理を働くつもりがなくても、事前の様々な情報提供によって顧客の事前期待が過度に高まっていると、正しくサービスを提供していても不満を抱かれる恐れがあります。これでは企業側も顧客側も不幸になるだけです。

 事前期待の高さをコントロールすることは、企業が業績を上げながら顧客に高い満足度を提供する上で非常に重要な要素と言えます。

事前期待値は、顧客のニーズと競合のサービスレベルで決まる

 顧客の持つ事前期待値は「ニーズ」と「競合のサービスレベル」で決まります。

 顧客は、もともと何かしらのニーズ(欲求や不満など)を解消し、ありたい姿を実現するために消費をするわけですから、まず顧客ニーズが事前期待の根本にあります。

 そして顧客は必ず競合他社のサービスにも触れています。そして競合他社も顧客のニーズを満たすために様々な工夫を行っています。つまり顧客は今まで競合他社のサービスに触れた経験も事前期待に反映しています。この競合他社のサービスレベルという観点は見過ごされがちですので注意が必要です。顧客の事前期待を知る上でも、競合がどのようなサービスをどの程度のレベルで提供しているかを調査することが必要となります。

事前期待コントロール

事前期待はインフレする

 顧客ニーズに終わりはありません。また競合他社も質的・量的により高い満足を提供し、他者に打ち勝つため、サービス品質を絶えず高める努力をします。つまり時間の経過とともに顧客の事前期待値はどんどん高まっていく、ということです。サービス提供企業は、この事前期待のインフレの中で、絶えずサービス品質を向上させていかなければならない宿命にあります。

事前期待をコントロールする

 とはいえ、事前期待をコントロールすることは可能です。顧客にとって最も満たしてほしいニーズに対しては他者を上回るサービスを提供しつつ、その他の付随する要素については事前期待をコントロールすることで、過度な事前期待を抑制し、高い実績評価を得ることができます。

 顧客が満たしてほしいニーズについては、それが「利便性」「卓越した技術」「カスタマイズ」のどれに該当するかを見極めることが重要です。これは差別化戦略でいうところの3軸、「手軽軸」「商品軸」「密着軸」のどれに該当するかということです。※参考記事:市場での存在感を際立たせるための差別化「3つの軸」

 続いて、顧客の最も満たしてほしいニーズ以外の部分についてコントロールすることを考えます。

 例えば、

・契約更新時には契約内容を再度確認する

・余裕を持った宅配時間を伝達するとともに、進捗を報告する

・サービスを受ける上で生じるデメリットを事前に伝える

・顧客側で手続きしなければならないことを事前に明確にする

など、広がりすぎた事前期待をコントロールしていくことで、サービス提供後の実績評価と事前期待の差が大きくなり、高い顧客満足につながります。

まとめ

 顧客満足は事前期待と実績評価の差で決まり、事前期待は顧客ニーズと競合のサービスレベルで決まります。顧客満足を創出するには、高いサービス品質を提供し続ける視点は重要ですが、それと同様、顧客の事前期待をいかにコントロールするかという視点も大切になります。

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