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     現場からアイデアが出てこない・・・現場が自ら考え、アイデアを作り出すような組織作りのために押さえておきたい3つのポイントをお伝えしたいと思います。

    現場からアイデア

    経営者と社員の間にある、「アイデア」への認識差異の根源の理解

     社員さんのなかには、アイデアというと突拍子もなく降って湧いてくるものであり、所謂「センス」や「才能」が絶対必要条件と考える方もいらっしゃいます。

     以前次のようなご相談を経営者さんから頂いたことがあります。

     「私は創業当初から色々なアイデアを試し、時には失敗しながらも会社を成長させてきた。ところが今いる社員の中からは中々ビジネスアイデアが出てこない。結局今でも私一人のアイデアで新事業が生まれている。しかし環境変化の激しい昨今、自分だけのアイデアでは限界が見えている。どうにか社員からアイデアが出るようにしたいが、新しいこと考えることに対して消極的で、なかなかうまくいかない。」

     あくまで私の肌感覚ですが、経営者の方々はアイデアを出すことに非常に長けていると思います。それこそアイデア創出における天才秀才が経営者の方々だとも言えると思います。実際に自ら起業し事業を立ち上げてきた方々ですから、アイデアを出す能力に優れているのは当然と言えば当然かもしれません。

     しかし実は、この「(特に創業)経営者は元々、卓越したアイデアによりその事業を始めている」ということにこそ、創業社長と社員の方々の間の「アイデア」に対する認識差異が生まれる根源があるように思います。そして経営者自身、自らの湧き出てくるアイデアの源泉を他者に論理的に説明することが出来ないため、自らのノウハウを他者にお伝えすることが出来ないという状況なのではないかと考えます。

     このことが、社員の方々にとって「アイデア」というものが天才秀才の所業というイメージを大きくしてしまう、あるいは、「アイデアは自分の仕事や職務には関係ない」考えられてしまう原因と考えられます。

     このようにまず第一のポイントは、そもそも経営者さんはアイデアによって自らの事業を立ち上げたという揺るぎない事実があり、根本的にアイデアに対する認識が社員の方とは(良い意味でも悪い意味でも)ズレている、という前提に立つことが重要ではないかと思います。

     上記企業様のコンサルティングでは、まずこの点をしっかり経営者様と共有させて頂いたうえで、ある程度時間を掛けて組織体質を変革していくこととしました。社員の方々がアイデアに対して消極的な状況は、先にも述べた通りアイデアの重要性を自らの仕事の中で気が付くことが出来ないことにも由来します。まず、そもそもアイデアとは何か、なぜアイデアが必要なのか、どのようにアイデアを出すのか、ということを組織メンバーと徹底的に議論あるいは教示し、少しずつアイデアが現場から湧き出る風土への変革を推進しました。

    経営者が考えるアイデアと社員が考えるアイデアのちがい

     せっかく社員の方々からアイデアが出てきたとしても、それが経営者さんのお眼鏡に叶わず、即決で却下することも多い(というかほとんど)と思います。そして、そのことが社員のアイデア創出意欲を一層失わせることになる、という循環に陥るケースも多いです。

     ここでのポイントは、経営者が考えるアイデアと社員が考えるアイデアが同質であってはいけない、ということです。

     経営者は創業当初から自らの卓越したアイデアにより事業を実現してきました。そしてそのアイデアの成否全ての責任を自ら果たしてきたわけです。つまり、経営者の方々のアイデアはたとえ思い付きであっても、自らの経験や時流を読む力、その他実践で磨かれた卓越したビジネスセンスに照らし合わせて「成功確率が高いアイデア」と判断されるものであれば、採用され実行に移されます。これはまさに「センス」と言われるような、言語化できないひらめきや発想力、あるいは「勘」と呼ばれるものも含まれているかもしれません。

     しかし、社員の方々から出てくる「アイデア」が、その社員の「勘」や「センス」的な、現実や現状を踏まえていないもの(あるいは踏まえているのかどうかが不透明)だった場合、多くの経営者さんは「そのアイデアがうまくいくという裏付け」を求めるのではないでしょうか。

     この点が経営者と社員が出すべき「アイデア」の性質が違っている点です。つまり、社員さんが出さなければならないアイデアには、その背後の「ロジック」が、「経営者さんのお眼鏡に叶う精度」で組まれている必要があるのです。

     例えば新規事業のアイデアをある社員さんが考えたとします。このときに、アイデアを出した当人は、「会社の業績が良くなること」を期待して出しているのですが、実はこれが大きな問題となることがあります。

     たしかに会社の業績が良くなること、は経営者さんにとっても大きな関心ごとだと思いますが、一口に「業績」と言ってもその定義はマチマチです。例えば経営者の方が思う「業績」が経常利益率や労働生産性だったにも関わらず、社員の方が思う「業績」が売上高だった場合、その社員が出した新規事業アイデアは経営者さんのお眼鏡に叶うでしょうか。

     他にも、経営戦略で規定した自社のドメイン(会社のコンセプト)と新規アイデアがズレている、そもそもその社員さんに与えている権限を越えた範疇のアイデアを出している(例えばほとんど関係ない業種への非関連多角化アイデアなど)場合にも、やはり経営者さんの判断基準からすれば承認できないものになります。

     このように、多くの経営者さんにとっては自明な判断基準であっても、意外と社員の間には基準が浸透していない、ということもあるように感じます。この原因は、社員の方は細分化された業務の1つあるいはいくつかを担当し、普段はその領域に特化してお仕事をしていることにあるのではないか、と思います。

     勿論そのような仕事の割り付け方には合理性があり、否定されるものではありません。しかしやはり普段、あるタスクに特化して仕事をし続けていると、経営全体を俯瞰している経営者の考えや視点―すなわちそれは理念や経営戦略に通じるものですが―を意識することが難しくなることは想像できます。

     普段虫の目で現場に起きている問題に一生懸命対処している社員さんと、鳥の目で全体を俯瞰している経営者さんから見た課題・・その2つの視点の擦り合わせを意図的に行っていく必要があります。

     コンサルティングケースでは、経営者や会社の判断基準を統一し、極力現場の方へも浸透するような取り組みを行いました。また、次に述べるアイデア創出技法研修や、ロジカルにアイデアを引き出すロジカルシンキングのワーク、会議ファシリテーションによる様々な視点への気付きを促しました。

    ロジカルにアイデアを生み出すアイデア創出技法

     ポイントの3つ目は、社員さんが生み出すべきアイデア、すなわちロジックに裏打ちされたアイデアを生み出す創出技法の体得です。

     このアイデアを生み出す創出技法はまたの機会にご紹介しますが、上述のコンサルティングケースではクロスSWOTやカスタマージャーニーマップ法を紹介しました。

     しかしここで重要なことは、アイデア創出技法を覚えることではありません。もっとオーソドックスで経営に必要な考え方、あるいは基本的な経営学について、社員の方々にご理解頂くことが大切です。例えば新規事業に関するアイデアを出すのであれば、基本的な事業戦略やマーケティング戦略構築の手順の理解などです。

     外部環境・内部環境の整理、自社の戦略・理念、顧客の視点、競合他社の視点、などを勘案して、様々な切り口から論理的に成功確率の高いアイデア創出プロセスを踏むことで、ロジックに裏打ちされた納得性の高いアイデアが社員さんから生み出されていきます。

     私がご支援させて頂いた例では、まず基本的な戦略立案手順を社員さんに提示し、身に付けて頂きました。そして、私と社員さんと一緒になって環境分析や自社の強み・弱みの洗い出しなどを行い、ロジカルなアイデアの元となる材料を探していきました。やっている内容はかなりオーソドックスな戦略立案手順ですが、ここにアイデア創出技法を絡めることで、新規性があり、かつ経営者さんにも納得して頂けるようなロジックの通ったアイデアが生まれるようになりました。

    まとめ

     現場からアイデアが出てくる組織風土を醸成するために、まず押さえておきたい3点は以下のとおりです。

    ①経営者と社員間では「アイデア」に対する認識が大きく乖離している、という前提に立ちます。

    ②経営者が考えるアイデアと社員が考えるべきアイデアは性質が違います。(社員が考えるべきアイデアはロジックに裏打ちされたアイデア)

    ③ロジックに裏打ちされたアイデアを社員が自発的に出せるようにするには、基本的な戦略策定プロセスの理解とアイデア創出技法の習得が有効です。

     以上の3つを抑えたうえで、まずは組織の中で有望な社員さんたちだけの少人数から始めていくことが効果的だと思います。もし現場からのアイデアが出ない、ということでお困りでしたら、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。

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