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ピーター・ドラッカーは著書「マネジメント」のなかで、「成功を収めている企業の成功は“われわれの事業は何か”を問い、その問いに対する答えを考え、明確にすることによってもたらされている」と述べています。
また、企業の目的と使命を定義する時の出発点は「顧客」であり、顧客によって事業は定義されるゆえ、顧客にとっての価値・欲求・現実が発想の起点であると述べています。
そして“自社をいかに定義するか”についての大きな要素が「ミッション・ビジョン・バリュー」です。
ミッションとは「我が社が社会で実現したいこと」を言い表したもの(ドラッカー)。
ミッションには「使命・任務」などの意味があります。社会・顧客に果たす役割や責任といった存在意義を示したものです。
という3点が重要な基準となります。
ビジョンとは「我が社のミッションが実現した時の状態」を表したもの(ドラッカー)。
我が社がミッションを遂行した先に待っている、我が社の理想の状態は何か?を定義するものです。
という着眼点から定義します。
ミッションを達成し、理想のビジョンに到達するために組織のメンバーが持つべき「価値基準・判断基準・行動指針」を示したものがバリューです。
このような着眼点から定義します。
ミッション・ビジョン・バリューをまとめると次のような関係になります。
ミッション・ビジョン・バリューが定まることで、次のような効果があります。
企業活動で最も重要な存在である顧客に、自社がどのように貢献していくのかという存在意義の明確化に繋がります。好業績企業は多くは顧客から信頼を寄せられ、尊敬されている企業です。
を顧客・市場に周知することで、存在価値を見出してもらう基盤となります。
経営者の大きな役割である意思決定。しかし組織の人員が多くなればなるほど、日常で意思決定に関わるヒトは増えていきます。そのため意思決定に関わる社員が、適切な意思決定を行える判断基準の拠り所が必要となります。
各現場を担当する社員が経営者の考える基本的方針と合致しない意思決定を行えば、企業活動の推進力は弱まります。トップは右に行こうとしているのに現場が左に行こうとしては、決して目指すべき地点に到達できません。
ミッション・ビジョン・バリューは統一的な判断基準を組織に根付かせ、建設的議論の誘発・迅速な意思決定・コミュニケーションコスト削減など、意思決定に関わる重要課題を解消します。
※続きの記事はこちら:ミッション・ビジョン・バリュー②