• 企業の”ありたい姿”の実現に向けて、全力でご支援します!事業計画策定、経営戦略策定、マーケティング・販売戦略強化、人材育成、人事制度設計など、まずはご相談ください!

    職務等級制度

    サマリー

    1. 職務等級制度とは、「職務価値(仕事内容や困難度)」によってヒトを序列付けする「仕事基準」の等級制度です。
    2. 職務等級制度には、スペシャリスト育成や人件費コスト増加の抑制、同一労働同一賃金に対応しやすいなどのメリットがある一方、職務記述書の作成の困難さやチームワークが醸成されない、人事異動の制約が大きいなどのデメリットもあります。

    職務等級制度とは

    職務価値の大きさで人材を序列付けする

     職務とは、仕事内容や任務のことです。就いている仕事の内容や困難度の大きさで序列付けを行い、階層化する制度が職等級制度です。等級制度は大きく「人基準」「仕事基準」「業績基準」で人材の序列付けを行いますが、職務資格制度は「仕事基準」による序列付けの代表的な制度です。

     職務等級制度と対照的なものが、人基準による序列付けの「職能資格制度」です。両者を比較すると次のようになります。

     ・職務等級制度=ヒトが就いている職務価値で等級が決まる

     ・職能資格制度=ヒトが持っている能力で等級が決まる

    ※参考記事

    人事制度の全体像

    等級制度:職能資格制度

    等級制度:役割等級制度

    職務価値は人材調達の困難度の高さで決まる

     職務価値は、職務の内容とその職務の市場での賃金相場により決定します。例えば、ある板金加工業の職務価値を決定することを考えます。

     仮に板金加工に「出荷作業」「バリ取り」「機械加工」「精密機械加工」「生産管理」という仕事があるとします。例えば、一般的に「出荷作業」の仕事と「機械加工」の仕事は、職務の価値としては後者のほうが高い、ということになります。また、「生産管理」という仕事はさらに職務価値が高い、ということになります。

     このように、職務内容そのものの困難度や重要度に応じて序列付けを行うのが職務等級です。これを人材確保の視点からみれば、その専門性を持った人材の調達困難度の高低により、職務価値が決まる、ということができます。出荷作業をこなせるヒトと精密機械加工をこなせるヒトの数は、労働市場において後者の方が少ないため、精密機械加工のほうが職務価値が高い、と判断されます。

     職務等級は「欧米で鉄鋼産業のストライキを防止するために開発されたと言われています。職務等級は属人的な要素が入らないため、雇用差別問題や訴訟リスクの大きいアメリカでは広く受け入れられました。

    職務等級制度のメリット・デメリット

    職務等級制度のメリット

    職務レベルと賃金水準の明確化

     職務を基準とする制度であることから、属人的な要素、例えば年齢や勤続年数などの年功要素を排除した運用が可能です。そのため職能資格制度のデメリットである年功的な運用と賃金の高止まりを回避することができます。

    同一労働同一賃金の実現

     職能資格の場合、例え同じ職務を担当していても、「能力(多くの場合年功的になる)」が違うという前提に立つことになるため、例え同じ職務を担当していても賃金水準が異なることがあります。しかし職務価値を序列付けする職務等級は、同じ職務内容であれば、そこに従事する社員は全員同じ賃金が実現することになります。

    中途採用がしやすい

     職務価値は先述の通り、労働市場においてその価値が決まっています。従って、同じ職務であれば会社は違えど基本的には同じ賃金水準となるため、人材の流動性が高まり、中途採用がしやすくなります。

    スペシャリスト育成に向いている

     ある労働者が高い職務価値に就くには、今の職務をより高度化していくことが必要となります。社内での配置転換等の柔軟性を持たせた職能資格制度がゼネラリスト育成に向いているのに対し、職務等級制度はスペシャリスト育成に適した制度と言えます。

    職務等級のデメリット

    職務記述書の作成が困難

     職務価値を評価するベースは職務記述書に記述されます。職務価値を規定するためには、職務の内容や遂行の仕方を詳細に記述する必要があるため、等級が多くなります。

    職務記述書に書いてあることしかやらなくなる(多能工化には不向き)

     従業員が自身の等級を上げるには、定められた職務をこなすことで実現されます。したがって、職務記述書に書いてあることしかやらず、チームワークが醸成されにくいというデメリットがあります。

     日本で長らく採用されている職能資格制度の場合、ある意味主観的であいまいな「ヒトの持っているであろう能力」で序列づけするため、職務記述書のように担当する仕事・作業内容が明確に規定されているわけではありません。この緩さが他人や他部門の仕事を手伝ったり配慮するといったチームワーク形成に繋がっていると言えます。

    人事異動の制約が大きい

     例えば営業職4等級のAさんを、全く経験のない製造部に異動させる場合、Aさんは4等級を製造部に引き継ぐことはできず、製造部のより下位の等級に降級となります。なぜなら、製造部の4等級で定められた職務価値をAさんは遂行できないからです。等級が下がれば当然賃金も下がるということになりますので、モチベーションが低下します。つまり配置転換が容易ではなく、組織が硬直化する危険があります。


    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です