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売上推移のトレンドを見る移動合計

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売上分析の落とし穴

 月別売り上げには通常季節変動があります。そのため、そのままそれをグラフ化しても、業績が向上しているか悪化しているかの判断が難しくなります。

 下図は1年の月次数量・単価の推移を表したグラフです。あるサービス群の月次推移を示したグラフで、2月と12月に数量の山があり、6月は落ち込むという季節変動が毎年起こるビジネスですが、季節変動の影響で全体の傾向や推移がつかみにくくなっています。また単価に関しても上昇傾向なのか下降傾向なのかが読み取りにくくなっています。

 季節変動の大きい商品、専門品など売上増減のバラツキが大きい商品、月ごとに会員数が増減するビジネスなどの場合、前年同月との比較にとどまると、月次での取り組みだけを論じてしまう近視眼的対症療法に陥る可能性があります。

 売上や数量・単価は外部環境の変化や経営資源の質量変化の影響を受けてトレンドを形成しますが、季節変動商品や専門品などはこのトレンドが掴みにくくなっています。

 そこで季節変動等を加味した上で、売上や数量、単価の傾向を分かりやすくする手法が移動合計です。

移動合計とは

 移動合計とは、12か月ずつの合計を1月ずつずらしながら作成したものです。常にある月から前12か月の合計となるため、季節変動要素が全て含まれます。下図が移動合計の例です。

 この移動合計グラフから読み取れることは数量は減少傾向にあり、単価は上昇傾向にあるということです。この商品群の売上高は前年比で減少していましたが、その要素を見ると数量の減少傾向が顕著であることが伺えます。しかし直近では数量が横ばいになっています。移動年合計は季節変動要素が含まれていますので、傾向として数量の下げ止まり局面を迎えていることが分かります。

 また単価の方は、月次ごとでは単価増減に規則性がありませんでしたが、移動合計で見ると上昇傾向にあることがわかります。

 つまり、

・数量は減少傾向にあるが直近では下げ止まっている(事実)

・単価は増加傾向にある(事実)

 ということが分かります。これをさらに分析し、

・単価は順調に上昇傾向にあるものの、その影響もあり数量が落ちている

・市場は縮小しているものの顧客が高付加価値志向にシフトしている

・近年取り組んでいるWebによる新市場開拓が功を奏し、直近では数量が下げ止まっている

であれば

・さらなる新市場開拓に向け、Web広告からHPへの流入を強化し、数量を増加させる

・高単価の新サービスを開発し、更なる客単価向上を図る

などの課題を抽出できます。

 移動合計分析は、会社に売上や利益をもたらしている重点商品に対して行うと効果的です。重点商品は業績へのインパクトが大きいため、移動合計で上昇傾向にあれば今後も利益を増大させることになり、逆に減少傾向にあれば会社全体の利益を失う可能性が高まります。

移動合計分析の方法

・最低23か月分の月次売上データを用意します。

・例えば今年1年の移動合計を分析するのであれば、

 昨年2月~今年1月の合計

 昨年3月~今年2月の合計

 ・

 ・

 ・

 昨年12月~今年11月の合計

 今年1月~今年12月の合計

をエクセルで並べグラフにします。これを数量、単価ごとに行います。

 この方法で、売上・限界利益・限界利益率の移動合計を分析すると、利幅の推移についても分析することができます。

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