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    キャッシュフロー計算書の作成方法

    キャッシュフロー計算書

     キャッシュフロー計算書で明らかにしたいことは、簡単に申し上げれば「現金(及び現金同等物)増減の内訳」です。内訳とは「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」です。

    ※参考記事→キャッシュフロー3つの区分

     例えば次のようなキャッシュフロー計算書があるとします。

    CF簡単例

     現金及び現金同等物が期首から期末にかけて1000万円増加しています。この増加の内訳が「営業CF=500万円」「投資CF=▲1,300万円」「財務CF=1,800万円」となっています。

     期中の営業活動で稼いだキャッシュが500万円、そして設備投資などの投資に対して1,300万円を支払っています。そして金融機関などから資金調達を1,800万円行ったことを表しています。

     では、それぞれのキャッシュフローの計算のポイントをご紹介致します。

    キャッシュフロー計算書作成の基本的な考え方

    1. 営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの合計が、貸借対照表の「期首(=前期末)現金及び現金同等物」と「期末現金及び現金同等物」の差額と一致することで、キャッシュフロー計算書は完成となります。
    2. 損益計算書の利益には、減価償却費などの非現金支出費用が計算されています。したがって、キャッシュアウトを伴っていない非現金支出費用を損益計算書上の利益に足し戻した額が、キャッシュフローとなります。
    3. 資産や負債の増減額を算出するには、2期分の貸借対照表を比較して行います。前年貸借対照表と当年貸借対照表を比較することで、年間でのキャッシュフローを把握する事ができます。
    4. 資産(借方)の増加とは、現金が資産(棚卸資産や固定資産など)に形を変えていることを意味します。つまり資産の増加はキャッシュアウトを表します。反対に資産が減少するということは、棚卸資産や売上債権などの資産がキャッシュに形を変えたことを表します。したがって資産の減少はキャッシュインを表します。
    5. 負債の増加は、現金を外部から調達してきたこと意味します。例えば超短期借入金が増加するということは、その分現金が増加したということです。つまり負債の増加はキャッシュインを表します。負債の減少はその反対で、現金による返済を行ったことであり、負債の減少はキャッシュアウトを表します。

    営業キャッシュフローの計算

     営業キャッシュフローは事業活動そのものによるキャッシュの流れを表します。営業キャッシュフローの詳しい計算方法は当記事最後の「まとめ」に掲載している図をご確認ください。ここでは、営業キャッシュフロー計算で必ず押さえておくべき2つのポイントをご紹介します。

    ①非現金支出費用の処理

     損益計算書の費用の中には、実際に現金支出を伴っていない費用、非現金支出費用があります。その代表的なものが減価償却費です。他にも引当金繰入額などが非現金支出費用に該当します。これらの非現金支出費用は、実際には期中にキャッシュアウトを伴っていない費用です。したがって、非現金支出費用は税引き前当期利益に足し戻すことで、キャッシュフローを計算することができます。

    ②運転資金増減少額の算出

     運転資金は、「資産である売上債権増減額と棚卸資産増減額」と「負債である買入債務増減額」の差額で計算します。

     例えば売上債権と棚卸資産増減額の合計がプラス300万円、買入債務増減額がプラス200万円だった場合を考えます。これは300万円の資産が現金化されておらず(=キャッシュアウト)、200万円の買入債務増加額が現金として企業にストックされている(=キャッシュイン)という状態を表します。つまり差額である100万円が運転資金増加額ということになります。

    ③その他(その他流動資産、その他流動負債、特別損益等の処理)

     その他の流動資産・流動負債についても「基本的な考え方」で示した通り、資産の増加はキャッシュのマイナス、負債の増加はキャッシュのプラスとして計算します。

     また設備等の売却損益が出ている場合、売却による収入は貸借対照表の固定資産の増減で表されます。そのため簿価と売却額の差額である損益計算書の売却損益は、売却益が出ている場合はマイナス、売却損が出ている場合はプラス処理を行います。

    投資キャッシュフローの計算

     投資キャッシュフローは、期間中の有形固定資産や無形固定資産の増減額を表します。有形固定資産で設備や建物への投資額を計算する際には、減価償却費を考慮する必要があります。当期末の有形固定資産は、減価償却後の資産価額が計上されているためです。

     例えば、前期末の有形固定資産が8000万円で、当期末の有形固定資産が7000万円だったとします。このときに減価償却費が1000万円であった場合は、有形固定資産額が減少していても、実際には投資キャッシュフローはゼロということになります。

     また、仮に減価償却費が500万円だった場合を考えます。このとき、もし減価償却のみ発生していたのであれば、当期末有形固定資産額は8000万円-500万円=7500万円となりますが、実際の当期末有形固定資産額が7000万円であるということは、差額の500万円の投資が発生しているということになります。

     つまりこの場合の投資キャッシュフローはマイナス500万円ということになります。

    財務キャッシュフローの計算

     短期借入金及び長期借入金の増減額を計算します。例えば短期借入金の当期末残高が500万円、前期末の残高が700万円だった場合、200万円の返済を行ったということですので財務キャッシュフローはマイナス200万円となります。

    まとめ

     キャッシュフロー計算書を作成する際は、特に貸借対照表の当期末・前期末差額の計算で、プラスマイナスの符号が混乱することがあります。実務上は、次に紹介するようなエクセル表を作成しておくと便利です。

    キャッシュフロー計算書

     「項目」の(+)(-)は、計算結果がキャッシュフローの増加要因になるかマイナス要因になるかを表します。計算方法は項目ごとに右側に示してあります。

     特に混乱しやすい箇所は、運転資金増減を計算する部分です。売上債権増加額と棚卸資産増加額は、当期残高から前期残高を引いた結果がプラスだった場合はキャッシュフローのマイナス要因となります。また買入債務は当期残高から前期残高を引いた結果がプラスだった場合はキャッシュフローのプラス要因となります。

     キャッシュフロー計算書は中小企業では作成が義務付けられておりませんが、計算書を作成することで、利益の先にあるキャッシュをどのように稼ぎ、どのように使うことが良いのかを分析する足掛かりとなります。


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