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    影響力ある3つの主要セグメント

     マーケティングの大家、フィリップ・コトラーは著書「マーケティング4.0」の中で「デジタル世界における主要セグメントは若者、女性、ネティズン(ネット市民)」と定義しています。

    若者・女性・ネティズン(ネット市民)共通の特徴

    新製品、新サービスを受け入れる

     ニッチ産業・業界でビジネスを行う中小企業であっても、ニッチ市場の中にこれらの属性を持つセグメントを見出し、積極的に働きかけることで、新たなサービスや商品の認知向上、そして自社のリブランディングにも繋がります。

     例えば現在の新型コロナウイルス感染症対策として、ソーシャルディスタンスを保った状態でサービスを提供できるオンラインサービスの可能性が、様々な業界で試されています。

     このような既存と違う新サービスや商品を真っ先に受け入れるのが「女性、若者、ネティズン(ネット市民)」と言われています。これら3つのセグメントの購買行動や特性を知ったうえで、新しいサービスや商品開発に取り組むことで、徐々に市場に受け入れられ、やがては市場全体に広がっていくものと考えられます。

    推奨を求めたり与えたりする傾向が強い

     自らサブカルチャーを作り出し、消費に関して賢く、自らもコンテンツメーカーとして情報発信を行うこれらのセグメントを感嘆させるような商品・サービスを作り出すのは、容易なことではありません。しかし、そう思わせることができたら、彼らはそのブランドの忠実な推奨者になる可能性も秘めています。主流市場に対して大きな影響力をもつこれらのセグメントを魅了することが出来れば、大きな収益に繋がることになります。

    女性

    インフォメーション・コレクター

     女性はインフォメーションコレクター(情報収集者)として有能です。男性が直線的に購買を決めるのに対し、女性は螺旋型で情報探索と検討を繰り返します。また他社とブランドについて語り合うことも多く、他者に意見を求め、また自分も意見を積極的に発信します。

     女性のこのような消費性質はマーケターにとってはプラス要因です。マーケティングコミュニケーションや、リードナーチャリング(見込客の教育)、CRMに取り組めば取り組むほど、強力なセグメントである女性から信頼を得ることが出来る証左だからです。

    ホリスティック・ショッパー

     全体を見て判断する買い物客です。螺旋状の購買高度の中で、男性より多くのタッチポイント(ブランドと顧客の接点)を経験することで、多くの購買要因を検討しています。例えば男性なら価格や機能だけで購買を決定してしまうところを、さらにブランドの歴史や使用感覚、情緒的価値、家族全体にとっての価値など、より多くの要員を考慮した上で購買決定します。

     そのため最終的に決定したブランドに男性以上にロイヤルティ(忠誠心)を融資、当該ブランドを自分のコミュニティに推奨したいという気持ちも強く持っています。

    ハウスホールド・マネージャー

     家計の最高財務責任者、購買マネジャーとして、購買意思決定権を有しています。もちろん女性と一口にいっても、主婦、働いている女性、1人暮らし、家族持ちなど様々な立場の方がいますが、家庭であれビジネスの場であれ、購買に関しては女性がマネジメントすることが多く、またその方が上手く行くことが多い傾向にあります。

     中小企業で社長の奥様やお嬢様が経理を担当することが多いのも、単純に身内だからという事情だけでなく、女性のハウスホールドマネジャーとしての能力の高さにも関係しているように思えます。

    女性の攻略は市場シェアの獲得

     以上のような特徴を持つ女性は、市場シェアを獲得するためのカギとなります。ホリスティックで高度な意思決定プロセスのお眼鏡に叶う高度なマーケティング施策を打ち出すことで、ハウスホールドマネジャーである女性に受け入れられたならば、それは即座に収益に繋がることを意味し、自社の市場シェア獲得へ大きな影響を持つことになります。

    若者

    アーリーアドプター(早期採用者)

     他のセグメントに影響を与えるという意味で、若者の役割は非常に大きいです。挑戦を恐れない若者は、リスクが高かったり「何となく」受け入れられない新商品やサービスを進んで試し、経験します。特にテクノロジーの分野においてはこの傾向が顕著です。

    トレンドセッター

     インスタグラムやTikTokなどのSNSサービス、ネットフリックスやSpotify、タピオカ、ウーバーイーツ・・挙げればキリがないほど、トレンドは若者から生み出されます。若者の価値観は細かく細分化されているため、トレンドは一過性のものも多いですが、中には主流市場に受け入れられ、広範囲の顧客層に浸透するものもあります。上記の例は、若者の間で早期に受け入れられた製品が主流市場に持ち込まれた製品です。

     他にも、若者でのトレンド商品が、形を変えて他の世代に伝搬するということもあります。例えば90年代にラメ入りのメイクが女子高生の間に流行ったあと、きらきら感という情緒価値を商品に転化したジュレスイーツが働く世代に流行りました。そしてデコポンジュレや昆布ジュレなど、普段料理をする主婦向けの商品が登場しました。

    ゲーム・チェンジャー

     グローバル技術の進化など、政界の変化に若者は素早く反応します。近年では若者の情報発信力や行動力から、若者は世界に変化をもたらす主な推進力の一つになっています。

     いわば社会全体での新たな規範を生み出す力を持つのが若者です。

    若者の攻略はマインドシェアの獲得

     マインドシェアとは、ある消費者の心の中に占めるブランドの占有率です。「ドリンクと言えば○○」「スニーカーだったら○○」というように、そのカテゴリーを考えた時に最初に思いつくブランドが、消費者にとってマインドシェアの高いブランドです。いわば認知度と言い換えることもできます。

     アーリーアドプターであり、トレンドセッターである若者に受け入れられたブランドは、顧客へのマインドシェアに影響を与えます。挑戦を恐れず新たな価値を受け入れたり、商品だけでなく社会のトレンドにまで影響力を持つ若者に知られるブランドは、市場全体でのマインドシェアを高める可能性があります。

    ネティズン(ネット市民)

    ソーシャル・コネクター

     ネティズンとはただ単にネット情報を閲覧するだけでなく、批判者(格付けやコメントを投稿する人々)、創造者(コンテンツを創造する人)、収集者(いいねしたりタグ付けしたり、積極的に情報を取得する人)を指します。インターネットでコンテンツを消費するだけでなく、インターネットに積極的に貢献する人々を指します。

     ソーシャルコネクターは、ネット上での会話ややり取りを楽しみます。しかも匿名性の陰に隠れているのでリスクが少なく、普段より大胆に本音を話します。

     インターネットの世界には、フォロワー、ファン、フレンドというFファクターがいます。そしてブランドに惹かれればネティズンは伝道者となり、気に入らなければヘイタ―になります。そして伝道者とヘイタ―の間の、ネット上の様々な応酬やコミュニケーションから、ブランドの姿が浮き彫りになります。これは、かつてはブランドを企業側が一方的に作り上げ、信奉させることが可能だったことが、今はブランド価値は消費者が決めるようになったことを意味します。

     またネティズンはコンテンツ投稿者でもあります。有益なコンテンツを生み出すことでネット社会の発展に貢献し、ネット社会の価値を高めます。

    ネティズンの攻略はハートシェアの獲得

     ハートシェアとは、消費者がある商品を購入しようとしたときに、買いたいブランドとして認識される割合のことです。マインドシェアが認知度に対し、ハートシェアは好感度であり、購買意向と言い換えることができます。コミュニティ内の口コミに関しては、ネティズンは最高の増幅器であり、彼らのお墨付きを得ることでブランドメッセージは社会的信用を獲得できることになります。

    まとめ

     3つのセグメントには、共通して「新商品・サービスを積極的に受け入れ、他者への推奨意向が強い」という特徴があります。

     自社の収益拡大を図るにあたり、この3つのセグメント層に上手く働きかけ、例えば新商品や新サービスなどの開発段階に参画させたり、あるいはテストマーケティングの際に3つのセグメントに働きかける、という取り組みが有効です。

     中小企業の場合、トレンドを作り出すことは難しい側面もありますが、それでも女性・若者・ネティズンを研究することで優れた商品開発やマーケティング施策の立案が可能になります。

     例えば、有機野菜通販の「オイシックス・ラ・大地」では、主要顧客セグメントである女性(主婦)のご自宅に社長自らが毎月訪問し、直接話を聞くそうです。そして冷蔵庫の中を確認させて頂いたり、食事を含めた生活背景を確認しながら、主婦の困りごとを把握し、商品開発に活かしています。また商品開発だけでなく、主婦の買い物や調理の利便性を高めたり、さらに作った料理を家族が「おいしい」と言ってくれるところまで気を使い、レシピ等の提案を行っています。こうすることでホリスティックショッパー、ハウスホールドマネジャーとしての女性の欲求を満たし、大きな成功を収めています。

     このような取り組みは、企業規模問わず、多くの企業ですぐにでも取り組めることです。女性・若者・ネティズンというセグメントに対し、積極的な働きかけや声を聴くことで、新たなヒントを得られる可能性に繋がります。


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