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    定量化しにくい目標をどう定量化するか

    定量化(達成水準)しにくい目標

     「仕事の目標は達成指標・達成水準・達成期限の3点を明らかにする」の記事で、目標設定のポイントをお伝え致しました。この中で「達成水準」とは数値目標のことです。

     しかし組織にとっての目標というのは数多存在します。社員数や企業規模が大きくなればなるほど、目標を持つ組織単位や個人が多くなるわけですので、中には定量化しがたい目標も多数出てきます。

     例えば次のような目標は一般的に定量化しにくいものです。

    ・顧客満足度・従業員満足度・理念の浸透度・サービス品質・顧客エンゲージメント・認知度

     ここに挙げた例をご覧いただくと分かる通り、定量化できない目標の中には事業活動においてKFS(重要成功要因)に直結する要素が多いです。しかしこれらの目標は目に見えず、数も重さも図ることができません。

    定量化しないことによる問題

     だからといってこれらの目標を定量化しない場合、次の2つの問題が発生します。

    目標が「ただの掛け声」になる

     定量化されていない目標は、どちらかといえば「目的」の性格を有しています。目的と目標の違いはこちらの記事をご参照ください。定量情報が入っていない目標は「方向性や意図」を指し示したものであり、「顧客満足度を高める」「認知度を向上させる」のような「目的」と同義です。

     「目的」がなければ組織は動きません。しかし「目標」がなければ具体的にどこに進み、どれだけこなせば目的に近づけるかが分かりません。定量的な目標がない状態は「みんなとにかく頑張ろう」という掛け声となってしまい、実現可能性は低くなります。

    目標の達成指標(モノサシ)がバラバラになる

     定量目標がないと、達成指標が個々人によってバラバラになります。例えば「顧客との信頼関係を高める」という目標を設定した場合を考えてみます。

     Aさんは「顧客との信頼関係には接触頻度が大切だ」と考え、こまめに客先に行こうとします。Bさんは「何度も連絡したり訪問するのは迷惑をかけるから、メールで済ますべきだ」と考えメール頻度を上げます。またCさんは「顧客が良いものをお安く買える状態にしてあげるのが信頼に繋がるから、要望を全部聞くべきだ」と考え、何とか値引きしたり訳あり商品を用意することに腐心しています。

     このABCさんは、みな自分なりに顧客からの信頼獲得を考えているのです。しかし目標が定量化されていないため、Aさんは訪問数、Bさんはメール数、Cさんは御用聞きの度合い、のように達成指標(モノサシ)がバラバラになってしまっています。

     これでは会社としてのありたい顧客満足に対して皆が違う方向に進んでしまい、かえって顧客満足から遠ざかる結果となったり、個々の社員のスキルの標準化と向上が図られず、組織力が高まらず、結果「顧客満足度向上」を達成することが出来なくなります。

    定量化しにくい目標もなるべく定量化する

     以上から、定量化しにくい目標もなるべく定量化することをお勧め致します。

    メリット1:目指す状態がハッキリする

     定量化することのメリットは、組織の目指す状態がハッキリすることです。目指す状態がハッキリすると、その達成に必要なスキルが明らかになり、目標値と立ち位置のギャップが分かるため社員の成長に繋がります。

    メリット2:進捗管理がしやすくなる

     そのような状態になると、進捗管理がしやすくなります。これにより、目標を達成したのか未達だったのかがハッキリと分かります。

    メリット3:定量化の過程でKPIの発見に繋がる

     定量化しにくい目標を定量化しようとすると、KPI(重要業績評価指標)の発見に繋がります。KPIとは戦略や重要成功要因と有機的に結びついた指標です。

    定量化の方法

     定量化するためには代替数値を用います。代替数値は「目標そのものではないものの、それをクリアすることで目的に近づいた」と見做せる数値です。

    アンケートや調査を行い、その結果を目標値とする

     目に見えない満足度や認知度といったものを見える化し、それを目標値とする方法です。例として「顧客満足度を高める」という目標(本来は目的です)を定量化することを考えます。

     まず顧客満足度を計測するときに、最もシンプルな方法としては、「顧客満足度調査アンケート」を活用し、総合満足度やリピート希望度の評価点を代替数値とすることでしょう。

     また製品やブランド認知度を計測するために、Web上でのアンケートは頻繁に行われております。このアンケート結果から導き出した評点を現状とし、期限と達成水準を定めて定量目標とします。

    目標指標の因果関係から考える

     ある目標指標案が出てきたとします。しかしそれをさらに踏み込んで、その目標指標のさらに前に達成すべき目標指標はないかを考えます。

     例えば企画部で、顧客満足度を高めるために「改善提案・新製品提案件数」という目標が見えたとします。しかし顧客満足を高めるということを深く考えてみると、改善提案件数を追う前に「顧客の不満を吸い上げた件数」という目標もあり得ます。かえってこの方が顧客ニーズに合致した改善や新製品を作れる可能性が高まるかもしれません。

     コールセンターやお客様相談室がある企業でしたら「顧客の不満を吸い上げた件数」を当該部門に設定し、「改善・新製品提案件数」を企画部の目標にしても良いでしょう。

     また、とある自治体の学校でいじめを減らすために「いじめの件数減らす」という目標の代わりに「いじめの告発件数を増やす」という目標を設定した結果いじめが激減した、という実例があります。

     このように優れた目標指標の設定は、戦略達成や目的に近づくために組織を導く強力な仕組みとなります。

    定量化するからこそ、目的は決して見失わないようにする

     定量化することには、

    ・あまりに代替的で恣意的な代替指標の場合、理解を得られない

    ・短期的な視野に陥り、中長期的な視点を失う

    ・件数や量に縛られ、内容や品質が希薄になる

    などのデメリットもあります。このようなデメリットを克服するためにも、方向性や意図を示した本質的な「目的」は見失ってはなりません。これは実務担当者だけでなく、目標を設定する上位者の方が意識する必要があります。

     数値目標は非常に重要ですが、上位者がその面だけを見て実務担当者を評価すると上記のようなデメリットが露呈し、求心力が弱まる原因にもなります。

     目的と目標の関係は、リーダーシップとマネジメントの関係に似ています。目的を理解させ扇動するのはリーダーシップ能力目標を管理し遂行させるのはマネジメント能力です。

     本記事は目標設定に焦点をあててご説明いたしましたが、目標設定だけで組織は動かず、目的と目標がセットで初めて組織は動く、ということを見失わないようにすることが大切です。

     ※参考記事:目的と目標の違い


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