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    基本給の性格について考える

    基本給とは

     基本給とは、その名の通り基本となる給与であり、賃金の中心的な要素です。基本的には等級制度に基づき、リンクする形で設定されます。例えば能力等級を採用している精度であれば能力給、役割等級制度を採用している制度であれば役割給となり、これが基本給となります。

     しかし基本給は必ずしも単独の要素だけではなく、複合的な要素から構成されることもあります。例えば年齢に対して給与を支払う「年齢給」、勤続年数に対して給与を支払う「勤続給」などがあります。

    基本給の考え方

    基本給の要素と性格を明確にする

     基本給に限らず制度設計を行う際は、「その給与は何に対して支払うものなのか?」を問い、基本給の性格を明確にすることが最も重要です。特に基本給は支給給与総額の大きな割合を占めます。会社側から見れば、基本給の設計にて総額人件費コントロールとモチベーション管理を行いたいところです。また従業員側から見れば、基本給が生活給の大部分を占めることになり、生計維持やモチベーション維持に基本給設計は大きな影響を与えます。

     実際の設計では、企業の経営戦略やビジョン、人事理念、ビジネスモデルを総合的に勘案して、どのような性格を持った基本給を設定するのかを検討します。以下は代表的な基本給の構成要素と、要素ごとの性格です。

    要素 性格
    ●等級基準に基づく基本給

    ・等級基準に基づく給与

    人の能力に対して支払う「能力給」、職務の相対的な価値に対して支払う「職務給」、社員の期待役割に対して支払う「役割給」が代表的。

    ※参考記事→人事制度の全体像:等級制度 

    ●年齢給 ・年齢に対して支払われる給与
    従業員の安心感や帰属意識の醸成、長期勤続を目的とする。年功化の性格が強く、従業員の平均年齢が上がるにつれて総額人件費が圧迫されることに留意。
    ●勤続給 ・勤続年数に対して支払われる給与
    長期間の教育で人材を育成し、企業の競争優位性の確保を目的とする。年功化したり勤続給の割合が大きいと、若手社員の不満につながる恐れがある。

    基本給の設計例1

    基本給設計

     上図は年齢給+勤続給+役割給という組み合わせの一例です。この企業は役割等級を採用し、年齢給と勤続給のウェイトは小さく設定しています。

     役割等級は責任・権限の大きさ、役割遂行難易度、出すべき成果の大きさ(期待成果)、業績などの観点から、等級に対する「期待役割」を設定し、その役割の大きさや遂行度合いから役割評価を行い、役割給に反映されます。

     したがって、役割給のウェイトが大きく年齢・勤続給のウェイトが小さいということは、どちらかと言えば企業の目指す方向として成長志向、業績主義、成果主義の色合いが強いということになります。

     また別の例を見てみましょう。

    基本給の設計例2

    基本給設計2

     上図は基本給部分が「勤続給」と「能力給」で構成されています。また勤続給の割合が大きいことが分かります。この企業では能力に対して給与を支払う能力給を採用しています。

     こちらの会社は、従業員の中長期的なスキルアップと安定した生産体制を実現することが会社の目標として掲げられており、成長よりも安定を重視するビジネスです。そのため中長期的な従業員のスキルアップ及び雇用の安定を図るため、勤続給と能力給を採用しています。

     ただ、この手の給与体系は年功的運用になりがちになるため、給与上昇ピッチを抑えつつ、皆勤手当て(これは基本給ではありませんが)などの手当てを通じてモチベーションを保つような工夫を行っています。

    まとめ

     基本給は総額人件費コントロールとモチベーション管理という、人事管理上非常に重要な要素を担っています。基本給の設計思想が不明瞭だったり、会社の戦略と合っていない、制度が形骸化している、などの問題があると、人件費コントロールが上手く行かなかったり、社員の納得感を得られず不満を招く恐れもあります。

     まずは基本給部分が「どのような等級制度に基づいているのか」「年齢給や勤続給はどの程度支払っているか」などを洗い出し、それら基本給の構成要素の意味合いを考え、「当社は社員の何に対して基本給を支払っているのか?その基本給の支払い方は会社の戦略やビジョンと合っているのか?」を一度自問してみることをお勧め致します。


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