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    部門別採算:費用配賦ルールの見直し

    部門別採算は、設計ルールや運用方法を間違えると組織をダメにする

     部門別採算管理制度において時々見受けられるのが、費用配賦のルールが経営実態を表しておらず、部門別採算管理制度の目的である「適切な意思決定」「人材育成」「業績責任の明確化」に役立てられていないケースがあります。

     部門別採算管理は、制度会計として法律で作成方法が定められたものではありません。会社ごとに独自に作成することができるため、制度会計のルールでは見えてこない経営実態を詳細に浮き彫りにし、意思決定や部門の強化に役立てることができます。

     しかし設計の自由度が高い反面、設計ルールや活用方法を間違えてしまうと、問題が隠されてしまったり、それにより社員のモチベーションを引き下げたり、あるいは慢心を生んでしまうという「諸刃の剣」ともなります。

    ①売上に貢献しているのに、他部門が負担すべき費用まで負担させられ、赤字となっている部門・・・

    ②本来負担すべき費用が計上されず、黒字に見えている部門・・・

    ③価値を生み出してしているにも拘らず、その貢献が社内売上として反映されておらず、単なるコストセンターとしての性格しか与えられていない部門・・・

     このような運営をしていると、上記それぞれの部門内では次のような問題が生じる恐れがあります。

    ①頑張っているのに利益が出ず、やる気を失う。

    ②本来は利益に貢献できていないはずなのに利益が出ていると錯覚し、慢心してしまう。

    ③仕事のやりがいや達成感が失われる。

     その結果、全社的に経営実態が分からなくなり、誤った経営判断をしてしまい、生産性が低下するという悪循環を招くことになります。

     部門別採算を導入している企業はある程度多いと思いますが、上記のような問題が露呈していないかを確認し、そのような問題が起きているのであれば、部門別採算管理制度の運用を見直す必要があります。

     ここでは、比較的改善をしやすい費用項目の配賦ルールの見直しについて解説致します。

    費用項目を活用割合に応じて正しく配賦する

     企業は資本を事業に投下することで収益を生み出します。損益計算書に表される費用科目は、すべて収益を生み出すための投資と言えます。したがって、費用がどの部門にどれくらい投下されているかを納得性ある方法で配賦することは、部門別採算を活かすうえでとても重要となります。

     まずは代表的な費目であり金額も大きい減価償却費、地代家賃、人件費、等の費用勘定が、実態に即して部門に配賦されているかどうかを確認します。

    減価償却費の配賦例

     例えば減価償却費であれば部門が使用している設備の減価償却費を当該部門に計上します。1つの設備を1部門が使用しているのであれば、当該設備の減価償却費をそのまま当該部門に配賦します。

     また1つの設備を複数部門が共有している場合は下図のように生産量の比率で複数部門に配賦します。

      A部門(生産量100) B部門(生産量200)
    生産量比率 1 2
    減価償却費(総額600万) 200万 400万

    地代家賃の配賦

     ある1つの建物を1部門で使用しているなら、そのまま使用部門に地代家賃を配賦します。また1つの建物を複数部門で共有しているのであれば、下図の試用面積に応じて按分するのがポピュラーな方法です。

      A部門(10㎡) B部門(20㎡)
    試用面積比率
    地代家賃(総額300万) 100万 200万

    人件費の配賦

     人件費については、基本的には部門にいる人件費の総額が部門の負担する人件費となります。

     しかし、役員も現場管理職として実務稼働をしている場合に、役員報酬をどのように配布するかという問題が出てきます。役員は当然トップマネジメントとしての仕事もしていますので、全額を当該部門に負担するわけにはいきません。また役員が複数部門の管理をされているケースもあります。このような場合は、当該部門に掛けた勤務時間で按分するという方法があります。

      A部門 B部門 本部
    役員勤務時間比率
    役員報酬(総額1500万) 300万 450万 750万

    まとめ

     部門別採算を有意義なものとするためには、まずは部門別採算の費用項目の配賦ルールが納得感あるものになっているかを確認することが必要です。費用負担のルールがあいまいだったり、恣意的な配賦が行われていた場合、部門別採算の本来の役割である「適切な意思決定情報の提供」「評価」「業績責任明確化」「動機づけ」がうまく機能しなくなる恐れがあります。

     費用の配賦は、その費用がどの部門にどれだけ使用されているかを考えれば配賦ロジックを組めますので、内部振替ルール(例えば製造部が営業部に製品をいくらで売り渡すか)を設計するのに比べて容易かつ分かりやすいです。

     部門別採算を組織活性化や収益力向上に活かすためにも、まずは費用配賦ルールを今一度見直して頂ければと思います。

    参考記事:部門別採算管理制度費用負担のルール

    部門別採算制度のその他の記事は、こちらからご覧ください。


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