部門別採算管理表の設計
※参考記事
部門別採算管理表の設計表を作成する
部門別採算管理制度の目的や設計手順を明確にしたら、採算管理表を作成していくことになります。その際、いきなり採算管理表を作りこむのではなく、次のような設計表を作成すると便利です。
横方向に、組織展開図と採算単位の性格付けに基づいた組織単位を並べる
横方向に組織展開図と採算単位の性格付けに基づいた組織単位を並べます。レベル2に事業本部単位(事業本部、管理本部)があり、細分化されてレベル3は事業部、レベル4は部門となっています。
※組織展開図や採算単位の性格付けはこちらの記事をご参照ください→部門別採算管理制度の設計手順
縦方向に、変動損益計算書の形で勘定科目を並べる
縦方向には勘定科目を並べます。その際財務諸表のPLの形ではなく、変動損益計算書の形で並べます。変動損益計算書とは、費用を変動費と固定費に分解して示した計算書です。変動損益計算書を用いることで、損益分岐点分析や収益構造分析を容易に行えるようになり、採算単位別の収益構造を見える化できるからです。
管理会計には制度会計のような公的なルールはありません。企業の実態に合わせて柔軟に作成することで、経営全体から細部の部門別までの経営状況を見える化でき、質の高い意思決定が可能となります。
※参考記事
・売上や変動費の増減に連動する利益「限界利益」とは?その高め方
採算単位ごとに、該当のある勘定科目に〇を付ける
どの採算単位にどの勘定が発生するかを明らかにします。また、社内売上高や社内仕入高など、内部振替がどの部門で発生するかも明らかにします。部門別損益計算には、対外的に売上を上げない販売部門以外にもプロフィットセンター(PC)としての性格を持たせられる、という大きなメリットがあります。
例えば製造部がPCとして販売部に対して売上を立てるということは、製造部にとっては社内売上高が計上されることになるのと同時に、販売部には社内仕入が計上されるということになります。このような関係が明確になることで、お互いの部門の利益責任が明確になるとともに、全社的な利益向上意識が醸成されます。
計上・配賦基準(運用ルール)のメモを書く
一番左の列には、それぞれの勘定科目の計上・配賦基準をメモします。計上・配賦基準とは運用ルールの事です。
例えば、店舗を複数の部門や事業部が利用している場合に店舗の減価償却費をどのように按分するかや、製造部から営業部への製品受け渡しの社内仕切り価格をどうするか、などについて記します。この運用ルールについては、部門別採算制度の記事まとめからご覧いただけます。
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