• 中小企業の"永続可能な組織への変革”に特化した、変革プロセスコンサルティング。組織メンバーが主体性を発揮し、革新と改善を生み出し続けるチームへの変革をサポートします。

    目的と目標の違い

    サマリー

     目的と目標は混同されることが多いですが、この二つを区別し明確にすることで、組織を目指すべき方向と到達点へ導き、動かすことが可能となります。

     目的と目標の違いは、下図のようになります。

    目的・目標

    目的とは

     目的とは「仕事を通じて目指す方向性、意図」を意味します。もう少しかみ砕いた表現をすれば、

    ・この仕事は何のためにやっているのか?

    ・そもそもなぜこの仕事をやるのか?

     という問いに対する答えが「目的」です。

     会議などの場で「そもそもそれやる必要あるの?なんでそれ、営業部でやらなきゃいけないの?」という議論、すなわち「そもそも論」に立ち戻ってしまうケースはよく見られます。このそもそも論に対する答えが目的です。

     目的の性格は「本質・永続・抽象・普遍」です。永続的に追い求め続けるもので、基本的に終わりはありません。そのため目的の表現は抽象的かつ本質的であり、具体性はありません。

    目標とは

     目標とは「目的への到達度を図るための目安、到達点」を意味します。目標には次の2つの要素が必ず入ります。

    ・具体的な数値

    ・期日

     目標はある時点での到達点です。その性格は「表面的、一時的、具体的、限定的」なものです。限定的かつ一時的な数値と期日が設定されるため、達成と終わりがあります。そのため目標の表現は具体的かつ表面上分かりやすいものとなります。

    目的と目標の関係

     目的と目標の関係は下図のようになります。目的が上位概念であり、目標が下位概念です。

    目的・目標例

     普遍的かつ永続的に追い続ける概念が目的です。例えば「顧客満足度を高める」という目的には、基本的にゴールがありません。満足度という抽象概念は永続的に追い続けるものであり、基本的に測定不能です。

     それに対し目標は測定が可能なものです。例えば顧客満足度を高めるという目的を達成するために、

    ・コールセンターは今期(時期)、「ありがとうの件数」を100件(数値)頂く

    ・配送部は今期(時期)配送遅延件数を10件(数値)に抑える

    ・製造部は今期(時期)製品クレーム件数を50件(数値)に抑える

     という具体的な目安と到達点を設定します。いわば目標とは意識的に設定したマイルストーンであり、測定することが出来ず終わりがない目的に対し、「ある期日までに○○という数値目安をクリアすることで、目的に近づいたと見做します」という基準を設定したものです。目的は目標で具体化します。

    目的・目標図

    目的と目標がセットで初めて組織は動く

    組織を動かす

     目標だけ存在していても、「そもそもなぜそれが目標なのか?」「何のためにやっているのか?」という問いに応えられず、実際に実行する人間にとっては「やらされ感」が生まれて仕事に意義を見出せず、モチベーションや生産性の低下が懸念されます。

     逆に目的だけ存在しても、それは「単なる掛け声」であり「具体的にどこに進み、どれだけこなせばよいのか」が分からず、結局は目的に近づくこともできなくなります。

     目的と目標は相反する性格を持ちますが、この2つがセットで初めて組織を動かすことが出来ます。

     


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