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    社員からの提案に対する意思決定が難しい原因

     経営者には毎日意思決定が求められます。会社の命運を左右するプロジェクトへの投資可否という重い決断もあれば、社員数が少ない会社であればPC購入決済のような小さな意思決定も求められることがあります。

     その中でも、「あまり大きな判断ではないが意外と神経をすり減らす意思決定事項」として、「管理職や現場からの小額投資判断を求められる提案」があります。 例えば次のようなものが該当します。

    ・売り上げ目標を達成するために、新たにコンテンツを中心としたWebサイトを運用したいので、追加で100万円予算を付けて欲しい

     社員からこのような提案があるときは通常稟議書や提案書など書面で受け取ることが多いと思います。しかし稟議書の内容を見ても今一つイメージが湧きづらく、本当に費用対効果が発揮されるのかが分かりにくいことがあると思います。例えば次のような稟議書の要約があるとします。

    ・競合他社もコンテンツ発信を強化しており、成功事例が出ている

    ・顧客はコンテンツに接する時間が増え、コンテンツによりブランド選好・購買意思決定を行う傾向が強まっている。自社の顧客アンケート結果からもコンテンツが購買意思決定に影響を与えている調査結果がある

    ・当社にはコンテンツを作成できる○○・△△という経営資源がある

    ・ゆえに、コンテンツサイトを創設することで年間売上高○○円を達成できる見込みである

     要約すれば上記のような内容となっている稟議書は多いと思います。しかしこれを見ても、経営者としては意思決定において漠然としたモヤモヤ感が抜けず、果たしてこの案を採用すべきかどうか、考えあぐねるところではないでしょうか。

     このようなことになる原因は「期待される効果が年間売上高など大きな単位となっているから」です。年間売上高は1年という期間を通じ、様々な要因が積み重なって出来上がる結果です。結果に至る過程にフォーカスできおらず一足飛びに結果に飛んでいる稟議書だと、判断が非常に難しくなるのです。

    稟議書・提案書に盛り込んでもらうべき数字

     ではどのような情報が盛り込まれると、意思決定がしやすくなるのでしょうか。それは費用対効果が具体的にイメージできる数字です。具体的にイメージできる数字とは、自分たちのビジネスにおいて日常的に意識できる数字のことです。

     例えば日用品販売業・少額のサービス業・一般的な飲食店であれば、もっとも日常的に意識している数字は「1日の来店客数」ではないでしょうか。であれば、上記稟議書で表現される費用対効果が「1日あたりの増加来店客数」であると、経営者としても非常に判断がしやすくなるということです。

     日常的に意識している数字は業種業態によって様々ですが、経営者も社員も共通して毎日意識している数字ですから、この「会社の共通言語」を使って費用対効果を測定することが、良質な意思決定を手助けする材料となります。

    ※続きの記事はこちらをご覧ください。


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