マーケティングミックス~具体的施策の組み合わせを考える~
サマリー
- マーケティングミックスとは、ターゲット顧客に対する具体的施策の組み合わせのことです。
- マーケティングミックスの構成要素は「商品」「価格」「販売促進」「販路・提供場所」で、これを4Pといいます。また、サービス業においてはこれに加え「構成員・参加者」「物的証拠・特徴の見える化」「業務プロセス」を加えた7Pというフレームワークがあります。
- マーケティングミックス(具体的施策)を考える際に、「ターゲット顧客やコンセプトがなおざりになる」「実現可能性が論じられてありきたりな施策しか出てこなくなる」問題が発生しやすいです。
マーケティングミックスとは
マーケティングミックスは、マーケティングプロセスにおいて「マーケティングコンセプトを確立」した後に策定します。
※マーケティングプロセスについてはこちらの記事をご参照ください→マーケティング戦略立案手順
マーケティングミックスとは、企業や非営利組織が顧客や生活者に商品やサービスの販売をしたり、何かを遂行したりするために、マーケティングの使用可能な複数の手段を組み合わせて戦略をたて、計画、実施することです(Wikipedia)。
平たく申し上げれば、マーケティングミックスとはターゲット顧客に対する具体的施策(=具体的に何をやるか)の組み合わせのことです。
マーケティングミックスのフレームワーク
4P(7P)
代表的なマーケティングミックスの理論に、「4P理論」があります。売れる仕組みを作るため、次に挙げる4つの切り口に対し、コンセプトに基づく施策を立案実施することで、ターゲット顧客に対して筋の通った施策を実現することができます。
4つの切り口とは、「商品」「価格」「販売促進」「販路・提供場所」です。また、サービス業においてはこれに加え「構成員・参加者」「物的証拠・特徴の見える化」「業務プロセス」を加えた7Pというフレームワークが有名です。
4C
4P(7P)は企業の側から見たマーケティングの施策ですが、この施策を顧客の側から見た4C理論があります。
顧客が感じる商品の価値と、その価値に対して支払っても良いと考える対価がいくらなのか?
顧客とどのように双方向コミュニケーションを図り、顧客への情報提供と顧客情報収集を行うか?
顧客が商品の購入や情報を取得する際に、面倒に感じずスムーズにできる方法は何か?
4Cは顧客目線を忘れずに施策を立案できる優れたフレームワークです。
マーケティングミックスの策定の注意点
マーケティングミックスとは具体的施策の組み合わせです。実際にマーケティングミックスを策定する際には、次の2つの問題が生じることがあります。
ターゲット顧客やコンセプトがなおざりになる問題
具体的施策を考えることに没頭しすぎて、そもそものターゲット顧客やマーケティングコンセプトを見失ってしまう問題です。特に新製品に付加する機能を考えている時や、プロモーション方法を考えている時には頻発します。
具体的施策は数えればキリがないほど沢山あり、その内容も複雑多岐に渡っています。認知を目的とした媒体1つとっても、新聞、雑誌、チラシなどの伝統な手法から、検索連動型広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告、自社HP、ブログ、SNSなど様々なものがあります。
このような具体的施策をマーケティングミックスそれぞれの要素ごとに考えていくので、考えているうちにターゲット顧客やマーケティングコンセプトが頭から抜けてしまうこともあります。
こうならないようにするためには、下図のように、コンセプト、ポジショニングマップ、そしてマーケティングミックスを関連付けた図をホワイトボードに書いておくと良いです。
ターゲットに対して全体最適化された施策を考えるには、コンセプトと具体的施策が全て有機的に結合している必要があります。マーケティングコンセプトを達成するための手段が具体的施策です。このようにコンセプトやターゲットを常に意識できるようにしておくことで、施策がターゲットにマッチした一貫性のあるものになるだけでなく、アイデアが思いつきやすくなるというメリットもあります。
例えば、足腰の筋力低下を意識している高齢者をターゲットにしているのであれば「販売促進」の広告宣伝を考える際に、「足腰の弱ってきていることに問題を抱える高齢者にリーチする媒体や方法は何か?」と考えていくことが出来ます。
実現可能性の問題
マーケティングミックスのアイデアを出すときに、実現可能性の議論が始まることがあります。これは会議の進め方の問題にもなるため、別の機会に詳しくご説明したいと思いますが、マーケティングミックスを策定する際もアイデアを出すフェーズでは実現可能性について言及しないほうが望ましいです。
最初から実現可能性を論じてしまうと、出てくる施策がありきたりなものとなってしまい、顧客にとってインパクトのあるものにならない可能性が高いです。
往々にして営業部と製造部、営業部と技術部などで実現可能性面で意見が対立することがありますが、目的はターゲット顧客に満足頂くことですので、マーケティングコンセプトとポジショニングを意識し、ターゲット顧客目線でどんな施策を打ち出すことが大切かを、よく議論することが大切です。
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