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差別化戦略の今後

差別化

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差別化とは 

 差別化の狙いは、「自社と他社の違いを明確にし、市場での自社の存在感を際立たせること」です。他社との違いを、どのような方向に設定して経営資源を投入するかを定めるのが差別化戦略です。

 差別化とは、価格以外の要素で他社よりも高い付加価値を提供することです。価格以外の要素とは例えば品質、ブランドイメージ、対応力、体験価値、手軽さ、便利さなど、様々なものがあります。

 価格以外の要素、という部分が差別化における重要ポイントとなります。

 次の図のように、マーケティングミックス(商品、価格、販売促進、流通)の中で価格だけは他のマーケティング要素と立ち位置が違います。

差別化価格と価値の関係

 価格はマーケティング(のみならず企業活動の全て)の要素が作り出す価値に対する対価のことです。この式の左辺を競合他社と違う質のものに作り上げていくことが差別化です。 

 「どこよりも安く」という価格軸も、たしかに差別化と言えるかもしれません。しかし「安く」提供できるということは業務プロセスや流通などの徹底した合理化が図られているからこそ実現されるものです。またセルフサービスや顧客にサービス提供の一部を担ってもらうなど商品戦略の工夫もあります。

なぜ差別化が重要と言われるか

 以前から差別化の重要性は指摘されてきましたが、次のような理由から差別化はさらに重要度を増しています。

 まずマクロ視点から見てみれば、日本においては人口減少や価値観の多様化という社会的背景の変化が挙げられます。買い手が減り続け、なおかつ買い手の価値観が多様化するわけですので、市場はより細かく細分化され、小さなパイの中で顧客を獲得していくことがより一層求められています。

 ミクロ視点から見れば、D2Cに代表されるようにテクノロジーを利用して作り手の想いや価値観をダイレクトに顧客へ届けることが可能になったことです。男性向けカミソリ、メガネ、マットレスなど特定の商品カテゴリーに特化し、デジタルマーケティングを駆使して顧客との双方向コミュニケーションを活発にし、そこで得られた大量の顧客データを活用して更なるファンの獲得と顧客ロイヤルティ向上を図ることを実現しています。

 かねてより差別化の重要性は語られていますが、これらの社会背景の変化を考えると、今後企業の差別化はより精巧に行っていく必要があります。

差別化3つの軸

 差別化には大きく「商品軸」「手軽軸」「密着軸」という3つの軸があります。差別化はこれら3つの軸の中で、どの軸で自社を差別化していくかを考えていきます。例えばササっと食事を済ませたいビジネスマン向けに安くて早い食事を提供するのか(手軽軸)、記念日のディナーを楽しみたい顧客層に完全オーダーメイドのディナーを提供するのか(密着軸)・・・

 このような基本的な差別化の方向性をどこに持っていくかを定めるのが、差別化戦略の基本的な考え方です。

今後の差別化戦略

 ただ、昨今は先程紹介したテクノロジーを用いた新たなビジネスモデルにより、3つの軸全てを高いレベルで実現する企業が沢山誕生しています。

 もはや「商品軸」「手軽軸」「密着軸」のどれか1軸を強化するという考え方ではなく、今後は全ての軸に対して、競合との違いを打ち出していくという考えも必要になっていると感じます。つまり、手軽に相談でき、親身になって顧客の要求仕様に柔軟にカスタマイズができ、質の高い体験価値を提供できるサービス作りが今後より一層求められるということです。

 一般的に中小企業における差別化では「密着軸」や「商品軸」が取られる傾向にあり、手軽軸を目指すのは難しいとされてきました。「手軽軸」は簡単に申し上げれば「安い、早い、便利」を目指したものであり、規模の経済の発揮や大掛かりなシステム化、オペレーションの効率化が求められ、中小企業では取り組みが難しい領域でした。

 しかし昨今では様々なITツールを活用しやすくなっていることで、中小企業でも手軽軸を取り込んだ取り組みが可能になってきています。

 ・ECサイトの充実による買いやすさの実現

 ・支払方法の多様化

 ・トリプルメディアの活用による商品説明や相談の手軽さ

 ・ポイントカードアプリの活用による顧客の予約やカード管理の手間暇削減

 ・顧客の購買データを活かしたコーディネートの提案による「選ぶ面倒さ」の解消

 など、利便性を追求することは資本が少なくとも可能になってきている領域が増えています。

 もちろん、3つの軸の中で会社がどの軸に最も重きを置くかを定めることは、従来通り最も重要な事です。

 しかし今後は3つの軸全てに対して「顧客が望むものは何か」を考え、3軸それぞれの中で他社との違いを打ち出していくことが差別化戦略のポイントになります。

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