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アイデア発散議論の進め方

アイデア発散議論の進め方

アイデア発散議論の進め方

アイデア発散の議論とは

 新しい施策を立案する際、その候補となる様々なアイデアを沢山出すことが、議論における「発散」です。

 事業戦略レベルであれば新規事業案、経営機能(営業部や製造部など)であれば機能別施策案、部門・個人レベルであれば創意工夫や仕事の改善など、アイデアを出す機会は階層別にも部門別にも多々あります。

発散で発生する問題

 発散の議論では次のような問題が発生しがちです。

1.意見が出てこない

 このような状態になる原因は次のようなことが考えられます。

 1)発散しているはずが、いつの間にか意見の品評会になり批判が始まる

 2)お題の範囲が広すぎたり抽象的過ぎて具体的なアイデアを出せない

論点が偏っている

 出てきたアイデアが、ある特定の論点からのみ語られており、抜け漏れが発生している状態です。例えばマーケティング施策を検討している時に広告宣伝のみアイデアが出され、品ぞろえやチャネルについては見逃されている場合などです。

発散されっぱなし

 様々なアイデアが出て議論が活発化しているのですが、有象無象に様々な切り口、レベル感のアイデアが混然としており、整理されていない状態です。このままだと最終的に意見を収束して意思決定する際に困ってしまいます。

 これらの問題により議論が進まなくなることを防ぐためには、発散されたアイデアを整理しながら論点の抜け漏れを防止することが必要です。

論点の提示

 論点とは「切り口」「視点」「要素」と言い換えてもいいです。例えば先程のマーケティング施策のアイデア創出であれば「製品・価格・チャネル・プロモーション」というマーケティングミックスの4Pが論点となります。既存のフレームワークで論点を整理できる議題なら、フレームワークを用いれば論点の創出は必要ないと言えます。これで抜け漏れなくアイデアを発散できるからです。

 「意見が出てこない」という問題に対しては、まずファシリテーターがお題に紐づく論点を提示するとよいでしょう。マーケティング施策のアイデアというお題なら、「製品・価格・チャネル・プロモーションの論点でそれぞれ考えましょう」と問いを繰り出せば、かなりアイデアはでやすくなります。

論点

ブレスト

 関連づいて有名なのが、アイデア発散の手法であるブレインストーミング、通称ブレストです。ブレストは「批判厳禁、自由奔放、相乗り自由、質より量」などのルールに基づき、お題について少人数で自由にを発散し、思いがけないアイデアを探る手法です。

 ブレストの方法については様々な文献がありますのでそちらを参考にして頂きたいと思います。ここではブレストの別の活用方法について考えます。

 ブレストは自由なアイデアを創出するという形で使うことができますが、それ以外に、議論の論点を創出するという活用の仕方が可能です。先ほどは「意見が出てこない」という問題に対しては論点を提示してアイデア発想を促すことを説明しましたが、これはまずアイデアを沢山出し、そこから論点を抽出する流れです。

 仕事には様々な議論があります。また業界や業種でも異なるし、同じ業界でも企業ごとに強みやビジネスモデルは異なります。したがって、汎用性のあるフレームワークを用いて予め論点を整理した状態でアイデア発散が出来ないことも多々あります。

 その時には、ブレストによって自由にアイデアを発散させたあと、論点を抽出してアイデアを整理することが有効です。これをやらないと、一見沢山アイデアが出ているように見えても論点に抜け漏れが生じている、ということが起こります。

 例えば「会員数の減少を防ぐ」というお題があったとき、次のようなアイデアが出たとします。

・部屋の模様替え

・備品の切り替え

・連絡アプリの導入

・時間変更可とする

・教材変更

 これらのアイデアから論点を抽出し、整理すると次のようになります。

論点 アイデア
環境整備 部屋の模様替え、備品の切り替え
利便性 時間変更可、情報連絡アプリ導入
品質 教材変更
   

論点の探索

 前項で論点として「環境整備・利便性・品質」が抽出されました。ここで次にすべきことは、「他の論点はないか?」を議論し、抜けている論点を探索することです。退会防止ということであれば、他にも「講師の教育」「スタッフの応対」という論点もあります。

論点 アイデア
環境整備 部屋の模様替え、備品の切り替え
利便性 時間変更可、情報連絡アプリ導入
品質 教材変更
講師教育 どんな方法がある?

 このようにアイデアから論点を抽出し、さらに隣に並列する論点を考えることでお題に対する抜け漏れを防止し、より広範で包括的にアイデアを創出できます。

まとめ

 以上から、発散の議論で起こりがちな「意見が出てこない・視点が偏る・発散されっぱなし」という問題をクリアする方法をまとめます。

 まず「意見が出てこない」ことに関しては、会議進行役であるファシリテーターが論点を提示することで、メンバーがアイデアを発散しやすくします。脳には、ある程度限定条件が付与される方がアイデアが出やすいという特性があります。

 また「論点が偏っている」「発散されっぱなし」という問題については、ブレストから生まれたアイデアを「論点ごとに整理」し、そして「論点の探索」を行うことで、有象無象のアイデアの整理と論点の抜け漏れを防止できます。

 このような発散の議論を通じて、効果的かつ包括的な具体的施策案を生み出すことが可能となります。

 「部内で打ち合わせしてアイデアを考えても、なかなか上司に認めてもらえない」とか、「色々アイデアを試しているがどうもうまくいかない」というときは、論点の抜け漏れにより施策に穴が開いている可能性があります。アイデアの整理と論点探索を行うことで、より深く成功可能性の高い施策の組み合わせを生み出せる確立が高まります。

 

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