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    トップダウンとボトムアップ

     何をどこまでトップダウンで行い、どこからボトムアップで行うかは非常に重要かつ難易度の高い問題です。

    トップダウンのメリット・デメリット

     企業をどのように経営するか、すなわち大きな目的や目標、戦略や方針を設計するのは経営者・トップマネジメントの専売特権であり、マネジメントという専門職がなすべき中核的な仕事です。簡単に言えば、「何をやるか、何をやらないか」は経営層が決めるということです。

     厳格なトップダウンは組織全体のベクトルを統一でき、目標に向かって組織行動を統制することは可能でしょう。しかし全てがトップダウンで行われれば、社員は「やらされ感」のなかで仕事をするしかなくなり、モチベーションの低下が懸念されます。方針はトップマネジメントが決めても、それを実行するのは現場の社員です。

     また変化する外部環境に対して、必ずしも有効な具体的施策をトップマネジメントが生み出せるとも限りません。現場にアイデアレベルで落ちている有効な施策が見過ごされ、貴重な情報資源が活かせないことも多々あります。

    ボトムアップのメリット・デメリット

     先述のとおりトップマネジメントには会社の目標や方針、つまり「何をやるのか、何をやらないのか」を決定し、ベクトルを統一することが求められますが、現実には「何をやるか」の決定を現場に任せてしまっているケースもあるのではないでしょうか。「どのようにやるか」は現場の実情に合わせて現場が主体的に決めることが効果的ですが、「やること、やらないこと」を現場の社員が否定する権限はありません。

     トップマネジメントが定めた方針(何をやるか)に沿った形で、それを具現化できる具体的施策を社員に考えてもらうというボトムアップは、次の点から非常に有効です。

     まず顧客に近い現場の実情に合った施策を考えることができるため、目標達成確率が高まります。そして現場の社員も自分の意見やアイデアを発信したり、それが活動に影響を与える経験を通じて、スキル向上、経営参画意識の醸成、モチベーション向上という効果が期待されます。

    トップダウン事項

    目的・目標

     企業が向かうべき方向性とその達成尺度である目標は、トップマネジメントが決定すべき重要事項です。

     目標を設定する際には、各部門の予測を積み上げる帰納的思考と、市場動向や将来必要利益や経営者の思いから導く演繹的思考による決め方がありますが、会社全体の目標設定は演繹的思考による決定が望ましい姿です。目標とは理念の実現に向けた、ある一定期間に達成すべきマイルストーンです。(参考記事:目的と目標の違い )このマイルストーンはあくまで理念やビジョン到達のために設定されるべきです。そこで抽出される現状と理想との差異が埋めるべき課題です。トップマネジメントは経営の方向性を決定するという専売特許で敢えて高い目標を設定し、その目標に対して責任を負う(現場や部門責任者に責任転嫁しない)ことが、組織の成長を加速させます。

     積み上げの帰納的思考での目標設定は、実現性は高いかもしれませんが総じて低い目標設定になりがちで、そのため達成すべき課題も現状とレベルがさほど変わらず、成長は望めません。

    戦略・方針

     目標を達成するための戦略や方針、すなわち「何をやり、何をやらないのか」を決定するのはトップマネジメントの仕事です。さらに重要なのことは「部門、現場に方針を徹底する」ことです。

     例えば「客室稼働率を○○%向上させる。そのために高齢夫婦をターゲットにしたプランを打ち出す」という方針があります。この方針にしたがい様々な施策が出され、各人の行動計画に組み込まれ、それが着実に実行されることにより実現します。また稼働率達成の期日(場合によっては短期・中期目標の設定)が行われていることが条件になります。

     このような戦略・方針に基づく、部門ごとの目標やアイデア創出、進捗管理があって初めて計画に実現性が帯びてきます。しかしこれだけでは方針は実現されません。この仕組みを管理する経営層や管理職が確実に進捗と差異を検証し、チームをリードしていく態度が求められます。

     したがってこれらの進捗情報が開示される会議の場は、まず最初に「進捗確認」からスタートします。進捗とは売上や利益という目標数値よりも、むしろ行動計画がどの程度履行され、どのような問題が発生し、どう対処しようとしているかが焦点となります。

     このような一連の流れと管理職の役割を構築できて、はじめて戦略・方針が現場に徹底されることとなります。

    ボトムアップ事項

    顧客・競合・市場情報

     ボトムアップすべき最も重要な事項は「顧客情報」です。顧客情報とは成約数や販売額という話ではなく、顧客の発言や態度、要望やクレームなど、現場でしか拾えない生の声です。会社の売り上げは顧客の中にしかありません。顧客ニーズの把握、自社商品の改善点やサービスの改良点、顧客を取り巻く環境変化などを積極的に現場から吸い上げる仕組みが必要です。

     また顧客情報のほか、競合情報や市場情報もボトムアップすべき重要な事項です。営業マンは商談の中で競合他社がどんな商品をいくらでオファーしているかという情報を入手できます。また近隣に規模のある新興住宅地ができたとか、競合の出店情報など、生活者としての社員の身近で起こる様々な変化も重要な情報です。

    アイデア・具体的施策

     次にボトムアップすべきことは、アイデアや具体的施策案です。先ほどお話したように、経営層が決めた方針に沿って、現場の実情に即した具体的な実現方法を提案してもらうことは有効です。仕事の方法を改良する、顧客への広告内容をブラッシュアップする、あらたな宣伝方法のアイデアを出す、といったことは、現場で日々その仕事に従事している社員の中に沢山あります。自由闊達にアイデアを言い合える風土づくりも大切になります。

     しかし最終的にアイデアを採択するのは、部門責任者になります。責任者と現場社員の権限における決定的な違いは、部門としての意思決定権限を持っているかいないかになります。したがって、責任者には確実に会社の理念や戦略を咀嚼し、そこに向けて部門を導くよう、経営陣から説得と依頼を行う必要があります。


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