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成長市場の中で、自社事業は本当に伸びているのか?

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自社成長率と市場成長率 

 複数事業を営む企業では、事業ごとに市場で競争しています。そして事業ごとに市場でのポジションや収益性が異なっています。複数事業を展開する理由としては、既存事業の成長性に陰りが出てきたことや、自社能力を展開できる新たな市場を発見できたこと、また成長性の見込める新市場にアクセスできたことなどがあります。

 いずれにしても企業はゴーイングコンサーン(継続性)という社会的使命を帯びていますので、さまざまな事業を展開することで事業ポートフォリオを形成し、収益を挙げ続けられる体制を維持することになります。

 今、Cという新規事業が伸長しているとします。売上高が毎年8%ずつ伸びており、今後も伸びが期待される有望事業です。社内でも会社をよくする救世事業として活気づいています。

 果たしてこのC事業は、伸びている事業と言い切れるでしょうか。この時にC事業が質的に伸びているのかそうでないのかを測定する方法の1つに、市場成長率と比較するというやり方があります。

 C事業が属するc市場全体の売上高や利益率の増加率と、C事業の売上高や利益率の増加率を比較することで、成長市場で実質的に自社が成長しているのかどうかの判断材料となります。

 市場成長率は市場全体の需要の伸縮を表していますので、その市場に属する企業や事業は、市場成長率伸縮という大きな流れの中に組み込まれます。この流れに対して自社C事業の成長率が上回っているか下回っているかで、その後の対策が変わってきます。

自社成長率と市場成長率による戦略の分類

自社の成長率が市場成長率を上回っている場合

 C事業の成長率が市場成長率を超えている場合は、実質的にC事業は成長している事業ということができます。C事業の成長率が8%に対し市場成長率が5%であった場合、差分3%は自社の強みや競合他社との差別化による付加価値と考えることができます。

 この場合は強みを更に強化して一気に市場占有率を高める積極戦略をとるのが良いでしょう。具体的には販売エリアの開拓や、売上に直結する広告宣伝・販売促進を行います。徹底的に自社の強みが活かせているセグメントに資源を集中し、セグメントでNo1を目指していきます。

自社の成長率と市場成長率がほぼ同じ場合

 市場成長率の流れに乗っている状態です。この場合は実質的にC事業は成長も衰退もしていないと言えます。需要増加という外部環境の好転に乗っているという意味合いが強く、必ずしも自社の強みが形成されていない可能性があります。

 この場合は市場占有率を高めるために、まずC事業の強みと差別化要因を洗い出したうえで徹底的に強化します。そして強みを活かせる市場内のセグメントを見つけ出し資源を投入することが重要です。

 成長市場は競合とのし烈な競争を勝ち抜くことが求められます。中小企業がとるべき競争戦略は競合との徹底的な差別化集中戦略です。まず上述のように差別化要因を鍛え上げることに注力し、その後販売エリアの拡大と売上に直結する広告宣伝・販促を行い、セグメント内における市場シェアを獲得する、という手順をとります。

自社の成長率が市場成長率を下回っている場合

 自社成長率が上向いているとつい、「このC事業は成長している事業」と錯覚してしまいます。しかしC事業の成長率が市場成長率を下回っている場合、実は実質成長出来ておらずむしろ衰退している可能性が考えられます。このまま時間が経ち市場成長率が鈍化すると、C事業は成長鈍化ではなく衰退(マイナス)する可能性が高くなります。

 この状態のC事業は、他社と差別化できる強みがあるのかないのかが焦点となります。もし社内で強みを生み出せるのであれば強化していくことも考えられますが、外部機関や企業との連携も模索するのも良いでしょう。市場成長率が高い時期は限られているため、スピード感を持って強みを強化できれば、勝ち残れる可能性も高まります。

 しかし強みを見つけられなかったり経営資源を投入出来ないのであれば、撤退という可能性も検討したほうが良いでしょう。

まとめ

 成長期にある市場で事業を展開している場合、自社の売り上げが向上していることが多いため、事業が育っているように思われることもありますが、市場成長率を参考にすることで実質的に成長しているかどうかが判断できます。そして事業拡大における優先順位とロードマップを描くことに繋がります。ぜひご参考になさってください。

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