• 中小企業の"永続可能な組織への変革”に特化した、変革プロセスコンサルティング。組織メンバーが主体性を発揮し、革新と改善を生み出し続けるチームへの変革をサポートします。

     事業を健全に回していくための適正な総額人件費である「許容総額人件費」の把握方式について解説致します。

    ※許容総額人件費を把握するメリット等の詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。

    付加価値基準方式

     付加価値基準方式とは、付加価値(ほぼ粗利とお考え下さい)に対して、目標労働分配率を掛けた金額を許容総額人件費とする考え方です。

    ●許容総額人件費=付加価値額(粗利額)×目標労働分配率

    =売上高×付加価値率(粗利率)×目標労働分配率

     この方式は目標労働分配率を予め設定しておくことから、粗利益額の変動に柔軟に対応できます。粗利益額が増減すれば連動して許容総額人件費も増減しますので、経営リスクは低くなります。

    損益分岐点方式

     損益分岐点方式とは目標利益額を予め定めておいた上で許容固定費(固定費総額)を算出し、許容固定費から人件費以外の必要固定費を差し引いて許容総額人件費を計算する方法です。

    ●許容総額人件費=許容固定費-その他必要固定費

    ・許容固定費=限界利益(粗利益)―目標経常利益

     この方式は目標経常利益を先に定めておき、粗利益から目標経常利益を引いた許容固定費を設定します。目標経常利益から出発する決め方ですので、損益計画との関係が明瞭で分かりやすく、中小企業で活用しやすい算定方式です。

    売上高基準方式

     売上高基準方式は、売上高に対する目標人件費比率を掛けることで許容総額人件費を算出する方式です。

    ●許容総額人件費=売上高×目標人件費比率

     この方式は、はじめに売上高に対する人件費比率を定めおく方式ですので、歩合給割合が多い場合や仕事量に応じて業務委託しているなど、人件費が変動費化しており、かつ固定費負担が少ない場合のみ有効です。

    まとめ

     3つの許容総額人件費算定方法を紹介しました。中小企業であれば最も経営計画との関連性が分かりやすく、かつ従業員にも納得感を得やすい「損益分岐点方式」が使いやすいと思います。

     損益分岐点方式を基本としつつ、「付加価値基準方式」で活用する労働分配率の要素も取り入れることで、「頑張ればそれだけ自分たちの賃金も増える」と感じてもらえる人件費設計が可能となります。

    ※参考記事:適正要員数の算定


    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です