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よくある会議の失敗

会議の生産性向上

会議の生産性向上

サマリー

  1. 会議とは、メンバーの現状認識を統一し、次にどんなアクションを実行するかの意思決定及び、合意形成を行う場です。
  2. 会議の質は、管理職やホワイトカラーの生産性に直結します。会議のインプットは「会議出席人数・会議時間・会議準備時間」、会議のアウトプットは「企業に付加価値をもたらすアクションの意思決定及び合意形成」です。適量なインプットで最大限のアウトプットを出す会議設計・運営を行うことで、企業の生産性は大きく変わります。

会議とは

 会議のない組織はほぼ存在しないと言ってよいでしょう。株主総会、取締役会、役員会議、部門長会議、営業ミーティング、小集団活動・・・組織では至る所で会議が行われています。管理職ともなれば会議時間が仕事の多くを占める、ということもあり得ます。

 会議とは、「メンバーの現状認識を統一し、次にどんなアクションを実行するかの意思決定及び、合意形成を行う場」です。

 「メンバーの現状認識を統一する」とは、組織内でどんな問題が起こっているのか、外部環境がどう変化しているのか、課題達成度はどのくらいか、など、組織が置かれている現状を会議参加メンバーが認識することです。

 「次にどんなアクションを実行するか」とは、まさに会議のアウトプットそのものと言えます。会議の大目的は「会議以降私たちはどんなアクションを、いつ、いつまでに行うのか」を決定することです。いわゆる企画書や行動計画表など、会議日以降のプランニングが記された成果物が会議のアウトプットとなります。

 「意思決定及び合意形成を行う」とは、アウトプットを決定するということです。ここで気を付けたいのは、意思決定だけでなく合意形成が行われる必要があるということです。合意形成とは、様々な利害関係者の意見の一致を図ることです。

 例えばよくあるのが、部長会議で営業部長と製造部長の意見が対立するときです。営業部は売上のために突発受注に対応したい、しかし製造部長は計画的な生産計画で原価を抑えたい・・・このような利害のトレードオフは組織の至る所で発生しています。この両者の利害関係を一致させ、互いに納得感あるアクションを意思決定することが合意形成です。

 会議の質は、管理職やホワイトカラーの生産性に直結します。会議のインプットは「会議出席人数・会議時間・会議準備時間」、会議のアウトプットは「企業に付加価値をもたらすアクションの意思決定及び合意形成」です。適量なインプットで最大限のアウトプットを出す会議設計・運営を行うことで、企業の生産性は大きく変わります。

よくある会議の失敗

 私はファシリテーターやオブザーバーとして会議に参加させて頂く機会を頂いておりますが、その経験も踏まえて、失敗する会議の特徴をいくつか挙げてみたいと思います。恐らく思い当たる節もあるのではないでしょうか。

何のための会議か分からない(目的不在)

 そもそも会議の目的が分からない、というものです。多くの場合、会議案内には「○○について」という議題は提示されていますが、参加メンバーにとって、その議題について話し合う必要性や意味が共有されていない状態で会議が始まります。

 例えば「○○商品の販売強化について」というアジェンダ。これに対して会議参加メンバーがどう思うか、というと「そもそも何で○○商品なの?△△のほうが強化した方がいいのでは?」のように、そもそも論に立ち返ってしまうことが非常に多いです。

 これは、「会議参加メンバーは現状を認識していて当然だ」という会議主催側の奢りに起因することが多いです。目線を下げ、目的の確認から入らないと、そもそも論の堂々巡りに陥り、時間だけが過ぎて結局何のための会議だったか分からなかった、ということになります。

会議のアウトプットが不明(目標不在)

 会議において、具体的に何をアウトプットするのかが決まっていない状態です。さきほどの「○○商品の販売強化について」を例にとると、最終的にこの会議で何を決めればよいのか、そのイメージが参加メンバーでバラバラになります。販売強化の問題点をあぶり出せば良いのか、マーケティング戦略を立案すればよいのか、それとも具体的なプロモーションやチャネル開拓の具体的打ち手そのものを決めるのか・・・

 マーケティング戦略の立案と、打ち手の立案では議論のレイヤー(レベル感)が違います。マーケティング戦略が上位概念で、具体的打ち手はマーケティング戦略に紐づく下位概念です。各メンバーが、この会議におけるアウトプットのイメージを統一できていないと、議論のスタックや拡散、抜け漏れが発生したり、そもそも論に立ち返ってしまうなど、アウトプットの意思決定及び合意形成が困難になります。 

目的、目標へ到達する道筋が描かれていない(道筋不在)

 アウトプットへ向かう議論の構成がイメージされていない状態です。せっかく目的、目標が共有されていても、現在地からその目的地に向かう道筋が不明瞭だと、いつまでたっても合意形成に至らない堂々巡りとなります。

 例えば、「○○商品の販売強化について」というお題だけ与えられ、「はい、どうしたらいいと思う?」という無茶ぶりで始まるアイデア発散、そもそもの現状分析に立ち返ってしまう、かみ合わない論点、アイデアへの非難や個人攻撃、疲弊していく会議の雰囲気、最終的には「鶴の一声」で何となく意思決定がなされる、そのため決定したアウトプットに抜け漏れが出る、しかし合意形成出来ていないので誰も決定事項に納得していない・・・

 会議の生産性を左右するのは、この道筋の設計が大きなウェイトを占めていると言っても過言ではありません。この道筋を設計し、会議をリードしていく役割を担うのがファシリテーターです。

ファシリテーター不在

 ファシリテーターの役割は、「参加者に論点を展開してアイデアを引き出し、議論を整理し、基準を示して合意形成を図る役割」を担う人です。ファシリテーションについては別途詳しく説明しますが、ファシリテーターが役割を果たしていなかったり、ファシリテーターが不在の会議もあります。

 パターンとして2つあります。

 1つは、上長など上席の人間が司会進行をしているものの、自分の意見を一方的に述べて意思決定してしまうパターンです。

 もう1つは、ファシリテーターにやらされ感があり、ファシリテーターが会議を人ごとにしてしまっている場合です。

 ※これらについては、ファシリテーターについて別途ご説明する機会を設け、詳しく説明したいと思います。

出席者が多すぎる

 会議の目的や目標に照らして、その意思決定に必要な人材とそうでない人材の峻別が必要です。会議は経営資源の中でも貴重な人的資源を投入して行われます。会議のアウトプットに直接関係しない社員をインプットに投入することは、会議の生産性を著しく低下させます。

十分なディスカッションが行われない(結果報告が多い)

 結果報告がメインとなっている会議体は多いように見受けられます。例えば前月実績のレポートを長々と読み上げるなどはその典型です。報告そのものは、現状認識という意味でも良いアウトプットを出すために必要な共有作業です。しかし、特に数字に関することについては読み上げるまでもなく、グラフ化して一目でわかる資料があれば、現状の共有という意味ではそれで事足りるはずです。数字の読み上げはほとんど価値を生みません。

 重要なことはその数字に至った定性的な分析結果の共有と、それらの事実を基にしたアクション(アウトプット)を、参加メンバーの知恵を振り絞って考えることです。

 アイデアの発散や収束、選択などのアウトプットに繋がるディスカッションに時間を使うことが、会議の生産性を高めます。

ホワイトボードを活用していない

 生産性の低い会議をしている組織は、ほぼ間違いなくホワイトボードを活用していません。ホワイトボードは会議の必須ツールです。ホワイトボードは会議のグラフィック化を通じて、会議の目的を意識させ続ける、目標を意識させ続ける、段取りを意識させ続ける、論点を意識させ続ける、メンバーのアイデアや意見を可視化して共有する、など様々な役割があります。

 議論が白熱してくると、ついつい会議の目的や目標を忘れて論点がずれていくことが多々あります。そんなとき、全員の目の前に目的や目標、論点がハッキリわかるようになっていることで、論点ズレの修正がしやすくなります。

 また、参加メンバーの意見やアイデアを見える化することによって、会議出席メンバー1人1人の意見を尊重することができます。会議参加者は忙しい業務の中で時間を作って参加しているわけですし、会議主催者側はその会議への投入人的資源を最大限活かして、高いアウトプットを生み出さなければなりません。参加者の意見を見える化して整理し、基準を設けてアウトプットの合意形成を図ることで、効果的かつ出席メンバーの納得感ある意思決定につながります。また、自身の意見がきちんと取り上げられることでモチベーションが高まり、より議論が活発化するというメリットもあります。

 

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