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    付加価値

    サマリー

    1. 付加価値とは、企業が「社会全体」に対して新しく付け加えた独自の価値のことです。具体的には企業が活動を通じて「顧客」「株主」「金融市場」「雇用」「国や地域」といった企業を取り巻く環境に対して、どれだけの価値を提供しているかという、社会への価値提供を表している指標です。
    2. 付加価値は業績向上と働き方改革を同時に実現するためのキーとなる重要指標です。

    付加価値とは何か

    製品やサービスに対して新しく付け加えた価値、という考え方(控除法)

     一般的に付加価値とは、企業が製品やサービスに対して新しく付け加えた独自の価値のことです。

     例えば「鉄製のツールボックス」を作る製造業A社の場合を考えます。A社は「鉄製のツールボックス」を生産するため板金という原材料を仕入れ、何かしらの方法で板金をツールボックスに加工します。そして何かしらの方法で販売をして、顧客に利便性などの価値を提供します。

     この例の場合、「板金=原材料」は外部企業が生産したものですので、A社が生み出した価値ではありません。A社が新しく付け加えた独自の価値は「ツールボックスに加工して販売した」部分であります。

     このような考え方で付加価値額を計算する方法を控除法と言い、算式は次のようになります。

    控除法

     もっとシンプルにしてしまえば、控除法では「付加価値=売上高―売上原価(労務費除く)≒売上総利益」とほぼ同じ意味合いになります。

     その意味でも、控除法による付加価値の考え方は、「製品の利幅・競争力」すなわち「顧客への提供価値」を表している、ということができます。

    社会全体に対して新しく付け加えた価値、という考え方(積み上げ法)

     付加価値にはもう一つの捉え方があります。付加価値は製品やサービスといった一義的な独自価値の大きさを表すだけでなく、さらに社会全体に対してどれくらいの価値を生み出しているかを金額で表現したもの、という捉え方です。

     企業は活動を通じて、顧客に対してだけでなく、企業に関わる様々なステークホルダーに価値を提供しています。企業が生み出す付加価値は社会に対して広く波及しており、世の中全体に様々な貢献をしています。

     付加価値を計算する際のもう一つの算式、積み上げ法の算式を見てみます。

    積み上げ

    経常利益を起点として、費用科目を足し戻していくような計算方法です。この算式を図式化すると、次のようになります。

    積み上げ図式

     先程の控除法が顧客への提供価値を表しているのに対し、積み上げ法の考え方は、社会全体への企業活動の波及効果を表していることが分かります。どういうことか、次の表をご覧ください。

    価値の分配

     この図のから分かるように、積み上げ法の算式は、社会のどの領域にどれくらいの価値分配を行っているかを表していると言えます。

     例えば、

    1. 人件費(労務費含む):製品サービスの付加価値を生み出すために提供された労働力や知恵に対する報酬の総額です。労働者側の視点から見ればどれだけの価値(=人件費相当)を提供したか、ということであり、企業側から見れば労働者にどれだけの価値を分配(=人件費)したか、ということです。つまり雇用への価値分配の程度を表しています。
    2. 金融費用:事業活動を営むうえで調達した資金の利息です。企業が資金需要を通じて、どれくらい金融市場に対して価値を生み出したか、ということです。
    3. 租税公課:国や自治体、地域に対してどれくらいの価値をもたらしたか、ということです。
    4. 経常利益:経常利益は事業活動から得られた剰余金であり、また配当金や法人税も含まれます。すなわち、「顧客」「株主」「自社」への付加価値の分配を表しています。

     このように、積み上げ式の考え方では付加価値の内訳として社会全体に対する企業活動の波及効果が表現されています。

    控除法、積み上げ法の使い分け方

     このように、控除法と積み上げ法では付加価値の捉え方が異なります。これら2つの考え方は、その時々で使い分けるのが有効です。

     実際のコンサルティング実務で使いやすいのは「控除法」です。なぜなら、控除法で算出される付加価値は限界利益とほぼ等しくなることが多く、財務分析がスピーディかつ改善策を立てやすくなるからです。

     ※限界利益についてはこちらの記事もご参照ください→売上や変動費の増減に連動する利益「限界利益」とは?その高め方

     例えば収益性を改善するには「売り上げを上げる」「限界利益率を上げる」「固定費を下げる」の3通りの方法がありますが、限界利益率=付加価値率となると、生産性分析と収益性分析の繋がりや整合性が取れるメリットがあります。

     積み上げ法は、減価償却費や金融費用が大きい企業の場合に用いることがあります。しかし積み上げ法の良いと思う部分は実務のところではなく、その考え方の部分にあります。

     人件費や租税公課を足し戻して付加価値とする考え方は、顧客価値だけでない、様々なステークホルダーに対してどう価値を提供していくかという、ゴーイングコンサーンとして長寿かつ強い収益体質を築くために必要な視点が反映されていると思います。今後ますます持続可能な社会に向けた企業の貢献が求められる中、このような視点は重要さを増していくと思います。

    付加価値は、生産性向上のキーとなる重要指標

     付加価値は生産性向上における重要な指標です。なぜなら付加価値とは経営資源が生み出した価値そのものであるからです。例えば生産性の代表的な指標である「労働生産性」は、付加価値/従業員数で表され、従業員一人一人がどれくらいの価値を生み出しているかを図る指標です。業績向上と働き方改革を同時に実現するには、この労働生産性を引き上げることが最も重要な課題となります。

     ※労働生産性についてはこちらの記事もご参照ください→働き方改革のキーとなる労働生産性 

    まとめ

     付加価値とは、企業が「社会全体」に対して新しく付け加えた独自の価値のことです。具体的には企業が活動を通じて「顧客」「株主」「金融市場」「雇用」「国や地域」といった企業を取り巻く環境に対して、どれだけの価値を提供しているかという、社会への価値提供を表している指標と言えます。

     また、付加価値は業績向上と働き方改革を同時に実現するためのキーとなる重要指標であり、特に労働生産性を高めていくうえで付加価値額の目標設定を行うことが大切です。

     ぜひご参考にして頂ければ幸いです。

     


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