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売上構成比率(プロダクトミックス)の改善で、粗利を増やす

プロダクトミックスの改善 

 商品別・顧客別の粗利率と売上構成比を把握する事で、重点商品・顧客の選定と粗利の増加が期待できます。

 粗利率の高い商品・顧客の全体売上に占める割合が大きくなれば、会社全体の粗利率が向上します。また、粗利率の大きい商品の値引き抑制効果は、粗利率の低い商品以上に効果が大きく出ます。

 このことから、粗利の改善にあたっては商品別の粗利率を考慮した重点商品・顧客の売上構成比をどの程度向上させるべきか、を検討することが効果的です。これをプロダクトミックスの改善といいます。

参考記事:売上や変動費の増減に連動する利益「限界利益」とは?その高め方 

 上図は、今期の商品別売上、粗利率、売上構成比、相乗積、粗利額の一覧です。まず用語の説明をします。

売上構成比

 会社全体の売上に対する、商品別の売上の割合のことです。

相乗積

 相乗積とは、会社全体の粗利額に対する各商品の粗利の割合です。計算式は、

・各商品の売上構成比×各商品の粗利率

で計算されます。そして各商品ごとの相乗積の和が全体の粗利率となります。

プロダクトミックス改善効果の見える化

 まず今期の商品別実績が次のようになっています。

 この今期実績をもとに、来期は合計売上830,000千円という目標を設定しました。この時、売り上げ構成比が今期と同じだった場合の全体粗利額(率)・各商品の目標売上高・粗利額(率)は次のようになります。

 全体の粗利額は246,252千円となりました。しかし粗利目標として1.5%増の31.2%を狙い、粗利額は258,960千円を狙いたいとすると、粗利の高い商品売り上げを増やす必要があります。すなわち「重点商品は何か」を定めた上で、重点商品をどの程度販売すれば良いのかを計算します。

 このケースでは自社にとって粗利率の高い商品AとBの売上が増えれば、全体の粗利率が増えます。そこで売り上げ構成比を見直し、全体の粗利率31.2%、粗利額258,960円千円を達成できる計画例が、次の表になります。

商品別目標売上・目標粗利を更に細分化し、具体的施策に落とし込む 

 上述のように売上構成比を変えることで、粗利率と粗利額目標達成の計画が作成できます。しかしこの数値計画が絵に描いた餅になっていないか、そして実際に実現するためにはどのようなことをせねばならないのか、まで考えてこそ実現可能性が高まります。

 そこで次にやるべきことは、特に売上構成比を伸ばしたい商品ABを更に細分化し、売り上げ構成比をみていくことになります。ここでは商品Bを販売チャネル別に分解し、チャネル別ミックスを検討した例を紹介します。

 商品Bを構成比を30%まで持ち上げ、かつ粗利率は37%を維持するためには、商品Bのチャネル別売上構成比や商品Bの販売促進費用を考える必要があります。

 そこで商品Bの今期のチャネル別ミックスを確認したところ、次のような結果となっていました。

 この状態から来期の商品Bの売上を249,000千円まで持ち上げ、粗利率は37%を維持し、粗利益は92,130千円に増加させることを考えます。

 まず目標とするチャネル別売上高を検討します。その結果、チャネルBは販促強化により153,630千円まで売り上げを増やせそうなことが分かり、チャネルAは既に成熟し競合も多いため、現状維持としました。

 またチャネルAもBも同じ商品を販売していますので、今後販売数量を伸ばすにあたり大量仕入れによる卸価格の引き下げを検討したころ、0.8%の卸価格引き下げなら実現可能性が高いことが分かりました。したがってチャネルAB共に、それぞれ粗利率が0.8%増加することになります。

 さらに元々粗利率が高いチャネルBを伸ばすために調査したところ、増加させたい売上高に対して1.8%の販促費用を投下すれば、それに連動して売上が向上しそうだということが分かりました。

 つまり

・チャネルAの粗利率は35.2%+0.8%=36%

・チャネルBの粗利率は38.8%+0.8%-1.8%=38%

となります。

 このような施策をまとめると、次のような計画が立案できました。

 チャネルAの相乗積は13.8%、チャネルBの相乗積は23.4%、合計した全体の粗利は37.2%となり、目標をクリアできる現実的な予算組ができました。

まとめ

 プロダクトミックスの変更による粗利率及び粗利額の向上は、手を動かしなら実現可能性のある売上高、粗利率に着地させていく必要があります。様々なシミュレーションを行い、競争環境も考慮しながら検討していくことで、絵にかいた数字ではなく、具体的施策に紐づく計画を作成できます。

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