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マネジメントを強化する

配置転換による意欲低下と成績不振

製造部から営業部へ配置転換を実施したが、意欲低下と成績不振を招いている

Q. 戦略上の理由から、製造部員の一部を営業部に配置転換しました。それから6か月ほど経ちましたが、営業部へ異動した社員は意欲をなくしており、成果が出ておりません。何が問題でしょうか?

A. 意欲の低下と成果が出ていない問題点で考えられることは次の4つです。

  • 営業職としてのスキルが足りていない
  • 営業の仕事に対し、自身の目的に繋がる価値を見出せていない
  • 評価の仕組みに不満がある
  • 営業部門の体質の問題

考えられる問題点

営業としてのスキル不足

 アポイント・訪問・商談・交渉・調整といった営業スキルが不足している状態です。

営業の仕事に対し、自身の目的に繋がる価値を見出せていない

 ものづくりが好きで製造部にいた人の場合、営業への配置転換により「自分にとっての仕事の目的」が霞んでしまい、意欲を低下させる場合があります。これを解消するには、本人の中にある仕事の目的・目標を明確にした上で、営業の仕事で得られるスキルや経験が、それらの実現にどう繋がっていくかを認識できるようにすることが必要です。

評価の仕組みに不満がある

 特に職務等級制度を採用している場合は、人事評価体系そのものが全く変わってしまいます。また、職能等級や役割等級制度を採用している場合でも、評価項目が大きく変わることになります。
 また、体系だった評価制度を持たない企業であっても、製造部と営業部で評価項目の「重みづけ」が異なり、それが不満につながることがあります。例えば、製造部ではスキルや情意に対する評価ウェイトが比較的大きかったのに、営業部では業績(売上など)に対するウェイトが大きいといった場合、その評価ウェイトのギャップが受け入れがたく感じる事もあります。

営業部門の体質

 営業部門の体質や風土に問題があるケースです。例えば、マネジャーがプレイヤーとして強く部門数字の柱となっている場合、指導を怠る、情報を共有しない、優良得意先を手放さない、などの個人主義が強く、新人が伸びにくい運営になっている可能性もあります。

対策の方向性

 「ハード面は比較的変えやすいが、ソフト面は変えにくい。」ヒトがネックとなる問題は、このことを考慮した対策が必要です。今回のケースでハード面とは評価の仕組みであり、ソフト面とはスキル・仕事の目的・風土への適応といった部分です。
 ハード面である評価の仕組みについては、長年の製造部経験から営業に異動したという大きな配置転換を考慮し、考課上不利にならない配慮を期間限定で儲けるなどの対策は有効と思われます。
 ソフト面については、そもそも戦略上営業を強化するという方向に舵を切っているわけですので、営業部全体の風土やマネジメント体制を含めた抜本的な刷新が必要と考えられます。もし技能や情報の属人化や、部下の指導体制に問題があるのであれば、頭数が増えても営業部隊の強化には繋がらず、戦略の実行にも影響が出ると考えられます。

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